![]() 対象における生体組織の増強及び再生のための組成物及び方法
专利摘要:
本発明は対象における生体組織の増強及び再生に適する組成物を提供し、該組成物は生分解性ポリマーである多孔性微小粒子の集団、1つ又は複数の哺乳類細胞集団、及び任意に生体適合性接着剤を含む。 公开号:JP2011512810A 申请号:JP2010548133 申请日:2009-03-02 公开日:2011-04-28 发明作者:エベルラン,ハンネ;ラモス ガレゴ,モニカ;クラウセン,クリスティアン;サムエルセン,ペーター;バンゲ,ヤコブ 申请人:コロプラスト アクティーゼルスカブ; IPC主号:C12N5-071
专利说明:
[0001] 発明の分野 本発明は対象における生体組織の増強及び再生に適する組成物及び方法に関する。] 背景技術 [0002] 発明の背景 細胞移植を用いる組織工学が知られており、関節切開術(例えば、膝関節切開術)等が対象となる。関節手術の場合、最善の成果を確実に得るために、回復過程の患者には相当の身体的障害が長期に渡って続く。このような処置は費用がかかり、リハビリテーションと理学療法のような広範な医学的処置が要求される。] [0003] 様々な形態の足場技術を用いる方法は、足場(その内部での細胞成長を伴うか又は伴わない足場)を欠損部に挿入するが、関節鏡検査のみで行われる細胞移植術の困難さに悩まされている。] [0004] 関節鏡視下自家細胞移植(Arthroscopic Autologous Cell Implantation)(小規模の外科的治療によるAACI又はACIと呼ばれる)は軟骨又は骨欠損を治療するための外科的処置であり、これにより足場は細胞懸濁液又は細胞混合物と前駆固定剤を同時に適用しながら、例えば「先端を丸めた」針又はカテーテルのような針を用いて欠損部に挿入される。この移植処置は関節鏡検査の下で視覚化され、行われる。] [0005] WO2004/110512は哺乳類の軟骨又は骨欠損治療に有効な内視鏡方法を開示し、これには欠損部位の同定と軟骨細胞、軟骨芽細胞、骨細胞及び骨芽細胞による、軟骨又は骨欠損への適用が含まれる。細胞は固化可能な支持材、例えば可溶性のトロンビン及びフィブリノーゲン又はコラーゲン混合物で塗布される。凸面又は凹面関節の手術のために多孔性膜を欠損部位に適用するが、フィブリン/細胞混合物がその場で凝固したらすぐに取り除いてもよいと考えられる。WO2004/110512で開示される方法は、組織を関節鏡検査法下で修復することが可能であり、即ち、関節切開術(例えば、膝関節切開術)の必要性がない。] [0006] 足場は、細胞を組み込んでもよい多孔質構造体である。これらは生体適合性、生分解性材料で作られ、そして組織に添加されて機能的な組織を形成する過程において細胞の組織化、成長及び分化を導く。使用される材料は天然又は合成由来のどちらでもよい。] [0007] WO2007/028169は欠損部位においてインサイチュで足場を使用する細胞移植による組織工学の方法に関し、ここで足場が組織欠損部位に一度挿入されると、治療用細胞は足場だけの中に固定される。] [0008] WO2007/101443は本発明の方法及びキットの一部に使用するために好ましい足場材料を提供する。] [0009] 微小粒子は組織の増強と支持のための注射可能な足場として使用されてきた。] [0010] WO96/02209には、潤滑液又はゲルと組み合わせて膀胱括約筋の増強のために使用する注射可能な生体適合性の平滑表面を有する炭素被覆金属粒子(大きさ100〜1000ミクロン)について記載している。] [0011] Xu and Reid et al.(Annals New York Academy of Sciences Vol.944:144‐159,2001)は、直径20〜40ミクロン及び100〜300ミクロンの多孔性の生体適合性且つ生分解性(PLGA)マイクロキャリアビーズ(スフェア(spheres))を使用し、培養液中で三次元の細胞分解性マイクロキャリアのコロニーを形成するために肝臓癌細胞を付着させることを開示している。] [0012] Kang et al.(J.Biomater.Sci.Polymer Edn,Vol 17,No 8,pp925‐939(2006))は、ウサギ膝の軟骨再生のための注射可能なキャリアとしてのPLGAミクロスフェアの製造及び使用について開示している。ビーズは30〜80ミクロンの範囲のビーズになるようにフィルターにかけられた。それよりも小さなビーズは、移植後離れた位置にある臓器に移動するかもしれないことを考慮して廃棄された。] [0013] 本発明は対象の生体組織の増強及び再生のための新規且つ改善された組成物を提供する。] [0014] 驚くべきことに、生分解性ポリマーの微小粒子と共に哺乳類細胞の集団の1つ又は複数を含む組成物は、対象における生体組織の増強及び再生のために特に適切な組成物を提供することが本発明の発明者により見いだされた。] [0015] 本発明は、対象における生体組織の増強及び再生のための、 a.生分解性ポリマーの微小粒子集団、 b.1つ又は複数の哺乳類細胞集団、 及び任意に生分解性接着剤を含む組成物を提供する。] [0016] 本発明は、好ましくはミクロスフェアのような均一な微小粒子構造を有する微小粒子集団を調製する方法であって、以下: a.ポリマー溶液を溶媒中で調製し b.工程a)で形成された溶液を非溶媒と混合し、 c.工程b)で形成された溶液を室温以下の温度(好ましくは0°C以下)で、非溶媒中で霧化して微小粒子を形成し d.好ましくは濾過により形成された粒子を収集し e.好ましくは真空下で又は凍結乾燥により、任意に粒子を乾燥すること を含む、方法を提供する。] [0017] 本発明は、特に不均一な微小粒子構造を有する微小粒子集団を調製する方法であって、以下: a.溶媒中でポリマー溶液を調製し b.工程a)で形成された溶液と非溶媒とを混合し c.工程b)で形成された混合溶液を凍結乾燥し d.形成された粒子を収集し e.好ましくは篩により、任意にサイズ別に分画すること を含む、方法を提供する。] [0018] 本発明は、微小粒子(好ましくは不均一構造を有する)集団を調製する方法であって、以下: a.溶媒中でポリマー溶液を調製し; b.例えば超音波霧化等により工程a)で形成された溶液を室温以下の温度(好ましくは0°C以下)で非溶媒中へ霧化して、微小粒子を形成し; c.好ましくは濾過により形成された粒子を収集し; d.好ましくは真空下で又は凍結乾燥により、任意に粒子を乾燥すること を含む、方法を提供する。] [0019] 本発明は、微小粒子集団を調製する方法であって、以下: a.ポリマー溶液を凍結乾燥可能な溶媒中で調製し; b.例えば超音波霧化等により工程a)で形成された溶液を低温室中で霧化し、それによって液滴を凍結して粒子にし; c.形成された粒子を収集し、 d.凍結乾燥により粒子を乾燥すること を含む、方法を提供する。] [0020] 本発明は更に、本発明の方法により調製された微小粒子集団を提供する。] [0021] 本発明はMPEG‐PLGAの微小粒子を提供する。] [0022] 本発明はMPEG‐PLGAの微小粒子集団を提供する。] [0023] 本発明は本発明に係るMPEG‐PLGAの微小粒子集団を含む組成物を提供し、更に生体適合性接着剤、及び/又は追加又はその他の化合物又は本文中で言及された化合物を含む。] [0024] 本発明は哺乳類細胞の1つ又は複数の集団を生分解性ポリマーの微小粒子集団に付着させる組成物の調製方法であって、以下: a)生体外で前記請求項の何れか1つに定義された哺乳類細胞の1つ又は複数の集団を本文中で言及された生分解性ポリマーの微粒子集団と接触させ;そして b)哺乳類細胞を生分解性ポリマーの微粒子集団に付着させるために、生体外で前記哺乳類細胞と前記生分解性ポリマーの微小粒子集団とを一定時間培養すること を含む、方法を提供する。] [0025] 本発明は、以下: a.生分解性ポリマーの微小粒子集団を含むコンパートメント、及び; b.哺乳類細胞の1つ又は複数の集団を含むコンパートメント、及び任意に; c.コンパートメントはa.で言及されたコンパートメントと同一又は異なるコンパートメントでもよく、生体適合性接着剤を含み、そして任意に; d.前記生体適合性接着剤のための変換剤を有するコンパートメントであって、ここでa.で言及されたコンパートメントがb.で言及されたコンパートメントから単離される、 を含むキットを提供する。] [0026] 本発明は患者の生体組織の再生及び増強のための方法であって、本発明に係る組成物を調製し、そして前記組成物を生体組織、例えば前記実施態様の何か1つで言及された生体組織に投与して、再生及び増強することを含む、方法を提供する。] [0027] 本発明は薬剤として使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物を提供する。] [0028] 本発明は尿失禁、骨盤臓器脱、及び便失禁のような泌尿路‐婦人科系疾患に関連した疾患の治療に使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物を提供する。] [0029] 本発明は軟骨欠損の治療に使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物を提供する。] [0030] 本発明は骨欠損、骨疾患又は骨再生の治療に使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物を提供する。] [0031] 本発明は尿失禁、骨盤臓器脱、及び便失禁のような泌尿路‐婦人科系疾患に関連した疾患の治療に使用する薬剤の調製のための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物の使用を提供する。] [0032] 本発明は軟骨欠損治療のための薬剤の調製に使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物の使用を提供する。] [0033] 本発明は骨欠損、骨疾患又は骨再生の治療のための薬剤の調製に使用するための発明に係る微小粒子、微小粒子集団又は組成物の使用を提供する。] 図面の簡単な説明 [0034] 実験1の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実験2の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実験3の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実験4の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実験5の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実験6の光学顕微鏡検査、SEM及び粒子サイズの分布。 実施例2の粒子。 実施例3の粒子。 粒子と共に培養された繊維芽細胞のニュートラルレッド染色‐生細胞が赤く染色される。8‐Ia:1週‐10x;8‐Ib:1週‐40x;8‐Ic:2週‐10x;8‐Id:2週‐40x;8‐Ie:4週‐10x;8‐If:週‐40x;8‐II:粒子と共に培養された筋肉細胞のニュートラルレッド染色‐生細胞が赤く染色される。 8‐IIa:4週‐10x;8‐IIb:4週‐40x。 細胞非存在下の粒子。8‐IIIa:1日‐10x;図8‐IIIb:7日‐40x;8‐IIIc:2週‐10x;8‐IIId:2週‐40x;8‐IIIe:4週‐10x;8‐IIIf:4週‐40x。 実施例5−分解されたサンプルの分子量。 実施例5−分解されたサンプルの標準化面積。 実施例7に記載された実験7〜11の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例7に記載された実験7〜11の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例7に記載された実験7〜11の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例7に記載された実験7〜11の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例7に記載された実験7〜11の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 実施例8に記載された実験12〜18の光学顕微鏡検査(A)、SEM(B)及び粒子分布(C)。 培養14日後のMPEG‐PLGAミクロスフェアに付着したhACs(赤色)。 培養14日後のMPEG‐PLGAミクロスフェア上のhACsによるECM合成(青色)。] [0035] 発明の詳細な説明 本発明は本発明の組成物、方法及びキットに使用するための生分解性ポリマーの微小粒子を提供する。微小粒子は本文中に記載されたように、生分解性ポリマーを含むか又は生分解性ポリマーからなる。] [0036] 広い局面において、本発明の発明者は発明に係る細胞と微小粒子、又は本発明に係る組成物は体内の脆弱化した組織を強化するために使用され得ることを想定している。] [0037] 本発明の一局面は成長可能な細胞を伴う微小粒子のサンプルに関する。このサンプルは強化材を伴う治療に反応する領域内又は周辺に注射される。一実施態様において、サンプルは尿失禁又は膀胱尿道反射、泌尿器疾患の治療に使用され、ここで失禁は、尿流出への抵抗力が腹腔内圧に耐えられなくなるまで減少した時に起きる。別の局面において、サンプルは肛門括約筋失禁の治療に使用され、微小粒子は括約筋機能の改善に有効な括約筋の肥大化をもたらすことが可能である。サンプルを肛門管組織内に注射してもよく、ここで選択される部位は、例えば肛門括約筋組織の内部又は外部でもよい。その結果、前記組織を肥大化又は増強することで括約筋又は肛門管のサイズが縮小し、これが便失禁を克服するための助けとなる。出願人は、本サンプルは胃逆流への適用も可能であると考えている。] [0038] 組成物は上部胃腸管組織内へ注入されてもよく、ここで選択された部位は食道内に開口する胃噴門でもよい。その結果、前記組織を肥大化又は増強することで通路のサイズが縮小され、これが食道内への胃液逆流を克服するための助けとなる。これら全ての例に対して共通する事実は、前記サンプルの直接効果は肥大化作用を介して得られることである。しかし、細胞が成長し微粒子が分解されると、結合組織は形成されずに筋肉、軟骨又はその他の組織が形成され、正常な閉鎖機能の再生に積極的に関与することになる。] [0039] 別の態様において、本発明は骨組織の再生が可能な細胞を伴う微小粒子サンプルに関し、該細胞は、例えば、生体内で成熟骨芽細胞への分化能を有する骨芽細胞及び/又は間葉幹細胞か、又は生体外で誘導され成熟骨芽細胞を形成できる細胞である。該細胞は自己、同種又は異種由来のどれでもよい。このような細胞と微小粒子集団を含む組成物は骨欠損修復及び骨再生のために使用し得る。組成物は従って、大腿骨、脛骨、股関節、脊柱、上腕骨、橈骨及び尺骨のような人体の様々な骨での骨折に適用可能である。更に、上顎骨(上顎の骨)又は下顎骨(下顎の骨)の萎縮を伴う患者において、骨の増強処置に使用してもよい。注射可能な組成物の特徴は、臨床応用にとって特に重要である。骨欠損の治療又は骨再生に使用するために、本発明に係るヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウム含有微小粒子、及び/又は本発明の組成物であって、更に本発明の微小粒子とは独立した(しかし、前記組成物に含まれる)粒子として添加されるヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウムを含む組成物を使用することは有利なことに注目すべきである。更に、骨欠損の修復及び骨再生に使用するために、本発明の組成物はBMP(骨形態形成タンパク質)も含んでもよく、これらは骨芽細胞又は骨形成性の分化した間葉幹細胞に対して強力な効果を有するタンパク質である。] [0040] 微小粒子はインサイチュで柔軟な足場を提供し、そして、哺乳類細胞集団、及び/又は欠損部位周辺組織に由来する細胞でもよい細胞上に構造を提供し、これらの細胞は成長し新しい組織形成し、それによって生体組織の再生が可能になる。] [0041] 本文で使用されるように微小粒子という用語は、1ミクロン及び1000ミクロンの間のサイズを有する粒子を意味する。この場合のサイズは粒子の直径又は平均直径を意味する。] [0042] 集団中の微小粒子は例えば、フレーク、フィラメント、パウダー、ファイバー、棒状、球状又は前記形態のあらゆる中間形をでもよい。] [0043] 一実施態様において、集団を形成する微小粒子の形態は不均一である。] [0044] 一実施態様において、集団中の微小粒子の表面積/体積比は、同一の平均直径を有する真球状ミクロスフェアの表面積/体積比より大きく、例えば、実施例1に記載するようにマルバーン粒子測定装置での測定により、同一の平均直径の真球状ミクロスフェアが有する表面積/体積比は少なくとも1.25x、例えば1.5x、例えば2x、例えば4xである。] [0045] 実質的に球状ではないか又は形態が不均一な微小粒子は、改良された流動粘度(同等な、球状又は実質的に球状のミクロスフェアの集団と比較して)を示すことにより特徴づけられる。このようなものが生体内では特に有用であり、挿入された微小粒子は挿入部位に保持され、構造的な支持と増強をもたらすことが可能であることが望ましい。このような微粒子は生体内で欠損組織表面との相互作用により、更に安定化した基質を形成し、それによって同等な球状微小粒子より高度な力学的強度を与える。] [0046] 一実施態様において、微小粒子の形態は球状又は実質的に球状ではない。] [0047] 一実施態様において、微小粒子の表面は走査電子顕微鏡による100xの解像度での解析では平滑ではない。] [0048] この点においてある種の応用例では、形態が不均一な微小粒子及び/又はフレークのように不均一な表面形態の微小粒子を有することは、都合がよいと考えられる。このような粒子がお互いに作用して、柔軟であるが固定した基質を提供し、この基質内の細胞は体内で成長することが可能である。このような微小粒子は軟骨欠損修復のための使用に特に有用であるが、平滑筋又は骨のような他の組織の修復にも有用と考えられる。] [0049] 不均一な微小粒子の別の形態は、フレーク、フィラメント、ファイバー、棒状、球状又は前記形態の中間体の何れも含む。] [0050] 実施例、及び図1〜6に示すように、生分解性ポリマーの超音波処理により不均一な形態の固形物を調製することが可能であり、そして使用する溶媒及び条件を変えることで様々な平均直径及び複雑な形態を有する微小粒子を形成することが可能である。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 [0051] しかし、一実施態様において、微小粒子は球状又は実質的に球状又は長円形でもよく、通常このような微小粒子は均一な形態を有する。一実施態様において、このような微小粒子は、例えば平滑筋欠損、括約筋失禁のような筋欠損の治療で使用されることを考慮してもよい。] [0052] 球体は、全ての点がある固定点から等距離にある三次元表面を有することを特徴とする(即ち、完全な球形)一方、本発明の文脈では球状という用語は明らかな角又は縁を有さないという点で球体のような形態を含み得るが、半径方向に完全な対称性ではないかもしれない。そしてそれ故、卵形又は長円形、つまり実質的に球形という用語で包含されると考えられるような形態の固形物を含んでもよい。] [0053] 好ましい実施態様において、本発明の組成物及び治療法では、哺乳類細胞、又は少なくとも哺乳類細胞の一部は微小粒子の足場又はその内部へも付着する。これにより細胞及び足場が患者へ挿入された際には、複雑に結合するという利点をもたらす。] [0054] 使用に先立ち、生分解性ポリマーの微小粒子は通常滅菌され、そして本発明の組成物の調製は哺乳類細胞集団を添加せずに、滅菌(無菌的)条件下で行われる。これにより、医療に直接利用可能な組成物の調製が可能になる。] [0055] 本発明はMPEG‐PLGAのような足場を含むか又は足場からなる微小粒子の調製方法を提供する。] [0056] MPEG‐PLGA微小粒子は実施例に記載されるように調製してもよい。好ましい方法には適切な溶媒中、一般的には有機溶媒中でのポリマー溶液の調製が含まれる。ポリマー溶液を霧化し、微小粒子の懸濁液を形成する。微小粒子は任意に濾過され、それから、例えば真空下で乾燥される。] [0057] 本文中の微小粒子の調製方法は必ずしも生分解性ポリマーに限定されず、他のポリマー又はポリマー系にも応用可能である。] [0058] 一実施態様において、微小粒子は、a)グリコリド、L‐ラクチド、DL‐ラクチド、メソ‐ラクチド、e‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、d‐バレロラクトン、β‐ブチロラクトン、g‐ブチロラクトン、e‐デカラクトン、1,4‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5,8,12‐テトラオキサシクロテトラデカン‐7‐14‐ジオン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、6,6‐ジメチル‐1,4‐ジオキサン‐2‐オン、及び炭酸トリメチレンのホモ又はコポリマー;b)一又は二官能性ポリエチレングリコールと上記a)のポリマーとのブロックコポリマー;c)一又は二官能性ポリアルキレングリコールと上記a)のポリマーとのブロックコポリマー;d)上記ポリマー類の混合物;及びe)ポリ酸無水物類及びポリオルトエステル類からなる群から選択されたポリマーを含むか又はポリマーからなる。] [0059] ポリマー微小粒子は、ポリマー粒子が溶液中に現れるまで(即ち、その系が非溶媒境界に達するまで、非溶媒を添加する)、非溶媒をポリマー溶液に添加して形成してもよい(即ち、ポリマーはその中で可溶性ではない(又は実質的に不溶性))。非溶媒境界に近い、このような系で粒子を調製すると粒子になる。] [0060] 「実質的に非可溶性」という用語に関し、場合によっては、非常に溶解度の小さなポリマーでも測定され得るが、そのレベルの溶解度では本発明の方法における微小粒子形成を阻害するには不十分であることに注意すべきである。] [0061] 図1〜6において見られるように有機溶媒を変更することによって、様々な平均サイズ幅を有し、実質的に球状から不均一な形態まで変化する、異なる形態の微小粒子が調製され得る。更に詳細には、非溶媒をポリマー溶液に添加することにより、最終的には液体の溶媒が非溶媒へ遷移し、そしてポリマーが沈殿し始める点に到達するだろう。ポリマーに対して良い(good)溶媒と悪い(bad)溶媒の間の溶媒は、シータ溶媒と呼ばれる。本明細書の実施例において、非溶媒境界(アセトン/エタノール)に近いか又はある程度の距離内にある溶媒系中のポリマー溶液は、球状粒子の生成が見られる。対照的に、良い溶媒中の溶液は、より不均一な形態の粒子を生じさせる。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 [0062] 適当な有機溶媒は、一実施態様において、アセトン及び炭酸ジメチルからなる群から選択される。] [0063] 上記のポリエステルに適する有機溶媒は、いくつかの実施態様において、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、炭酸ジメチルでもよい。溶媒は一実施態様において、クロロホルム、ジオキサン、アセトン、酢酸メチルでもよい。] [0064] 溶媒は、一実施態様において、クロロホルム、ジオキサン、アセトンン、酢酸メチル等からなる群から選択される。] [0065] 非溶媒は、一実施態様において、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、2‐プロパノール、1‐ブタノール、2‐ブタノール、イソブタノール、及びt‐ブタノールのような低級アルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ヘキサン、アルカン類、シクロアルカン類及び水からなる群から選択される。] [0066] 溶液中で調製されるポリマー濃度は、例えば、1から20%(w/v)の間、2から20%の間でもよい。] [0067] 従って、非溶媒境界付近における溶媒系は同様な条件下で球状粒子を生じさせると考えられる。] [0068] 微小粒子を調製する別の方法は、凍結乾燥によるものである:足場の凍結乾燥は、フレークのような不均一な形態の微小粒子調製に有利な方法と考えられる。微小粒子は凍結乾燥に続いて調製された固形ポリマーの機械的破壊により調製されてもよいが、実施例に示すように、ポリマー溶液を凍結乾燥してパウダー調製品を形成することが可能な方法を提供する。一実施態様において、パウダーはフレークの形態である。凍結乾燥を実施するため、溶媒はその凝固点以下でかなりの蒸気圧を有することが必要である。この基準を満たす溶媒は少ない。適当な溶媒はその融点が高いことに基づいて選択され、例えば1,4‐ジオキサン、炭酸ジメチル、ベンゼン、DMSO、又は1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロ‐2‐プロパノールである。一実施態様において、溶媒はそれらがポリエステルに適する溶媒であるということに基づいて選択され、実施例では1,4‐ジオキサン又は炭酸ジメチルである。実施例に示すように、凍結乾燥により粒子全体が中空/多孔になる。] [0069] 微小粒子が調製されると、任意に乾燥されてもよく、そして必要であれば、篩にかけて所望のサイズ又はサイズ幅を有する粒子を得てもよい。一実施態様において、微小粒子は乾燥前に湿式で篩にかけられる。] [0070] 記載された方法で特に有利なのは、溶媒として水にたよらないことである。殆どの生分解性足場において、加水分解は分解過程の一部であり、水の存在により触媒される過程である。水を使用しないことにより、不十分な分解が避けられる。別な方法では、有用な揮発性溶媒が見いだされている。このような溶媒を用いることで、粒子を低温で乾燥でき、それによって溶融を避けることができる。] [0071] 「哺乳類細胞集団」という用語は、本文では「哺乳類細胞」又は「細胞」として記載されてもよく、哺乳類組織から得られた細胞から得るか又は由来する細胞のあらゆる集団を意味する。一実施例では、「哺乳類細胞集団」は単一細胞クローンに由来する細胞集団を意味し、それにより遺伝子型と表現型は同一となる。] [0072] 本発明のいくつかの実施態様において、1種類以上の細胞が使用され、これらは従って1種又は複数の哺乳類細胞集団を意味する。細胞は接着性細胞が好ましい。] [0073] 本発明のいくつかの実施態様において、下記表に記載の1種類以上の細胞が使用される。] [0074] ] [0075] 本発明の一局面において治療又は使用は、上記表に記載の1つ又は複数種の治療又は使用に係るものである。] [0076] 本発明の一局面において、哺乳類細胞の集団は上記表に記載の1つ又は複数の種類の細胞を含む。] [0077] 細胞は本発明に係る方法で使用される前に、生体外で維持されるか培養されている細胞が好ましい。] [0078] 好ましい一実施態様において、「哺乳類細胞集団」という用語は軟骨細胞、軟骨芽細胞、骨細胞及び骨芽細胞、歯根膜細胞、及び/又はそれらの組み合わせを意味する。] [0079] 一実施態様において、「哺乳類細胞集団」という用語は筋芽細胞、又は筋芽細胞に分化可能な幹細胞を意味する。] [0080] 一実施態様において、「哺乳類細胞集団」という用語は骨芽細胞、又は骨芽細胞へ分化可能な幹細胞を意味する。] [0081] 一実施態様において、「哺乳類細胞集団」という用語は軟骨細胞、又は散骨細胞へ分化可能な幹細胞を意味する。] [0082] 好ましい実施態様において、細胞は生きている哺乳類個体から得るか又は由来する。即ち、自己細胞である。細胞は同種、即ち細胞が適用される組織に適合性ででもよく、又は例えば、同種異系細胞の形で、組織(multipotent)幹細胞又は多能性(pluripotent)幹細胞由来でもよい。一実施態様において、細胞は同様な別個体に由来する同種異系、又は異種、即ち、治療される生物とは異なる生物由来でもよい。同種異系細胞は分化細胞、前駆細胞、又は組織幹細胞(例えば、胚細胞、又は胚細胞と成体の特化された細胞(specialist cell)又は細胞類由来の細胞、多能性幹細胞(臍帯血、成体幹細胞等に由来))、別な細胞由来の遺伝子又は遺伝構築体の交換、挿入又は付加の何れかによって改変された細胞、胚性幹細胞又は臍帯血細胞由来の幹細胞のような多能性幹細胞内への分化細胞の核移植の使用でもよい。] [0083] 従って、一実施態様において、本発明の方法は幹細胞及び幹細胞由来の細胞の使用を包含し、これらの細胞は好ましくは治療される哺乳類と同種の個体から得てもよく、例えば、ヒト幹細胞又はそれに由来する細胞等である。] [0084] 一実施態様において、幹細胞は胚性幹細胞である。] [0085] 具体的な実施形態において、特に軟骨及び/又は骨の修復のための細胞は、間葉細胞又は軟骨形成細胞である。] [0086] 更に具体的な実施形態において、哺乳類細胞は脂肪組織又は皮膚から得るか、又は由来する。] [0087] 更に具体的な実施形態において、哺乳類細胞は本発明の方法に従い治療されるべき同一哺乳類個体から得られるか、又は由来する。哺乳類個体由来の細胞を得て培養する、このような方法は、WO02/061052に開示されている。] [0088] 哺乳類細胞は細胞懸濁液又は組織移植片の形態で提供することが望ましい。組織移植片は、哺乳類個体の適切なあらゆる部分から直接採取してもよい。] [0089] 一実施態様において、組織移植片は微小粒子と接触前か、又は接触させながら浸漬して軟化させてもよく、このように一緒に結合した個々の細胞又は細胞集団を提供する。] [0090] 一実施態様において、本発明の組成物で使用される細胞は、更に細胞外基質蛋白質、例えば軟骨細胞の場合では、これらの軟骨細胞によって産生された軟骨基質を含む組成物中に存在してもよい。軟骨基質を分泌させるために軟骨細胞が培養中で維持され、ここで本発明に係る細胞と軟骨基質の両方を含む組成物は細胞外基質蛋白質を伴わない細胞の代替として使用され得ることは理解されるであろう。] [0091] 或いは、細胞と細胞外基質蛋白質の両方を含む、このような組成物は組織移植片から得てもよい。] [0092] 本発明に係る哺乳細胞は治療されるべき生体組織に関して、その起源が自己、同種(同種異系)又は異種でもよい。] [0093] 哺乳類細胞は組織幹細胞又は多能性幹細胞由来でもよい。] [0094] 一実施態様において、哺乳類細胞は繊維芽細胞、ケラチノサイト、軟骨細胞、内皮細胞、骨芽細胞、神経及び歯根膜細胞からなる群から選択されてもよい。一実施態様において、細胞は間葉系由来である。] [0095] 一実施態様において、哺乳類細胞集団は軟骨細胞のような軟骨形成細胞であり、これらは特に軟骨修復に特に好ましい。] [0096] 「軟骨形成細胞類」又は「軟骨形成細胞」という用語は、哺乳類組織から得られる細胞から得られるか又は由来するあらゆる細胞を意味し、これらは本発明に係る方法で使用される前に生体外で、好ましくは適切な培地中で維持又は培養されてもよく、そして軟骨細胞に成長するか又は成長してもよい。] [0097] 幹細胞又は別の適切な前駆細胞であって、欠損部位においてインサイチュで軟骨細胞になるか又は軟骨細胞を生産可能な細胞を使用してもよいと考えられる。] [0098] 軟骨形成細胞はWO02/061052に記載されているように調製してもよく、これを参照することにより本文の一部に含まれる。] [0099] 軟骨形成細胞は、通常は哺乳類の軟骨形成細胞であり、これらはいくつかの実施態様において、本発明記載の治療されるべき前記哺乳類個体から得られるか又は由来する。哺乳類個体由来の細胞を得て培養する、このような方法はWO02/061052に開示されている。] [0100] 哺乳類の軟骨形成細胞は、細胞懸濁液又は組織移植片の形態で供給されてもよい。組織移植片は哺乳類個体の別の部分から直接採取してもよく、従って膝半月板移植片のような組織移植片の形態でもよい。] [0101] 哺乳類の軟骨形成細胞は生合成の軟骨性基質を産生するのに適した、あらゆる軟骨形成細胞でもよい。適切な軟骨形成細胞は培養軟骨細胞、例えば培養膝半月板軟骨細胞、CHON‐001、CHON‐002(ATCC(登録商標)Number:CRL‐2846(商標)、CRL‐2847(商標))のような軟骨細胞由来細胞株、又はTC28細胞、米国特許出願第20050129673号、同第20060148077号、同第20030064511号、同第20020094754号、米国特許第6,841,151号、米国特許第6,558,664号、米国特許第6,340,592号で開示されたような軟骨形成細胞を含んでもよい。] [0102] ヒト関節軟骨細胞は特に好ましい。] [0103] 幹細胞又はその他のあらゆる適切な前駆細胞であって、軟骨細胞になるか又は軟骨細胞産生可能な細胞も使用してもよい。] [0104] 組成物中で使用される細胞は標的組織又は欠損を再生又は修復するのに十分な量が存在し、例えば約0.1x104から約10x106細胞/ml、又は0.1x106細胞/mlから約10x106細胞/mlで存在する。] [0105] 一局面において、組成物中で使用される細胞は標的組織又は欠損を再生又は修復するのに十分な量が存在し、例えば、約0.1x104/0.1cm3から約10x106細胞/0.1cm3、又は0.1x106細胞/0.1cm3から約10x106細胞/0.1cm3で存在する。] [0106] 「約」という用語が具体的な数値又は数値範囲と共に本文中で使用される時、その用語は凡そ、その数値範囲と実際に言及された具体的な数値の両方とを意味する。] [0107] 使用前に、軟骨形成細胞は通常、培養液で適切に懸濁され、該培養液は成長ホルモン、成長因子、接着促進因子、及び/又はカルシウム及び/又はマグネシウムのような生理的に許容可能なイオン類(WO2004/110512を参照)を任意に含んでもよい。もし、血清がインサイチュの欠損部位において固定剤形成を干渉する可能性のある成分を含む場合は、細胞懸濁液は影響を及ぼすレベルの血清を含まず、自己又は同種血清が存在しないような、実質的には無血清であることが非常に好ましい。] [0108] 好ましい実施態様において、哺乳類細胞は前記生体組織と免疫適合性である。しかし、免疫非適合性哺乳類細胞は、例えば免疫抑制剤と共に用いてもよい。] [0109] 本発明の組成物は生分解性ポリマーの微小粒子集団、1つ(又は複数の哺乳類細胞集団)及び任意に生体適合性接着剤を含む。] [0110] 通常、組成物中で使用される細胞は標的組織又は欠損を再生又は修復するのに十分な量で存在し、例えば約0.1x104から約10x106細胞/ml、又は0.1x106細胞/mlから約10x106細胞/mlで存在する。] [0111] 一局面において、組成物中で使用される細胞は標的組織又は欠損を再生又は修復するのに十分な量、例えば、約0.1x104/0.1cm3から約10x106細胞/0.1cm3、又は0.1x106細胞/0.1cm3から約10x106細胞/0.1cm3で存在する。] [0112] 本発明の組成物中の微小粒子は、例えば0.1mg/mlから100mg/mlの間のように、0.1mg/mlから300mg/mlの量で組成物に存在するか又は添加してもよい。] [0113] 本発明の組成物中の微小粒子は、例えば、少なくとも0.1mg/ml、又は少なくとも0.25mg/ml、又は少なくとも0.5mg/ml、又は少なくとも1mg/ml、又は少なくとも1.5mg/ml、又は少なくとも2mg/ml、又は少なくとも5mg/ml、又は少なくとも10mg/ml、又は少なくとも20mg/ml、又は少なくとも50mg/ml、又は少なくとも70mg/ml、又は少なくとも90mg/ml、又は少なくとも100mg/mlの量で組成物中に存在するか又は添加してもよい。] [0114] 本発明の組成物中の微小粒子は、例えば、300mg/mlより少なく、又は250mg/mlより少なく、又は200mg/mlより少なく、又は150mg/m1より少なく、又は100mg/mlより少なく、又は75mg/mlより少なく、又は50mg/mlより少なく、又は40mg/mlより少なく、又は30mg/mlより少なく、又は20mg/mlより少なく、又は10mg/mlより少なく、又は5mg/mlより少ない量で組成物中に存在するか又は添加してもよい。] [0115] 本発明の組成物は生存し且つ分割(成長)可能な細胞を含むことが認められ、そして最初に調製された時に組成物中のこのような細胞集団密度が測定されることが好ましいが、一実施態様では、使用直前の細胞集団密度でもよい。] [0116] 本発明の組成物は細胞の微小粒子への結合又は接着を増強させる薬剤を含んでもよいことが認められるべきである一方、一実施態様において、接着剤又は接着剤類を組成物へ添加してもよい。その目的は体内又は欠損部へ挿入された部位に組成物を固定し、そして一度体内に挿入された挿入組成物の構造的一体性を強化することにある。生体外で細胞の微小粒子への結合又は接着を強化する薬剤は、一実施態様において、接着剤と同じ(種類)でもよいと考えられるが、接着剤又は接着剤前駆体は使用直前に組成物に添加されることが好ましい。接着剤は生体適合性であり、そのようなものとして、通常、下外科用接着剤が考えられるかもしれない。] [0117] 接着剤は通常、接着剤前駆体の形であり、使用直前又は使用中にインサイチュで接着剤に変換される。接着剤前駆体は固定剤前駆体として記載されてもよい。接着剤又は固定剤前駆体の変換は適切な手段により開始されてもよい。しかし、一実施態様において、架橋剤が使用されるかもしれない。] [0118] 適切には、細胞は生物学的に許容可能な固定剤前駆体、例えば哺乳類宿主細胞から組み換えにより調製又は単離されたフィブリノーゲンの存在下で適用及び/又は成長させる。] [0119] 一実施態様において、使用されるフィブリノーゲン濃度は1〜100mg/mlである。] [0120] 一実施態様において、接着剤前駆体は微小粒子と共に調製されるか又は結合させる。例えば、微小粒子が生分解性足場及び固定剤前駆体の両方を含むように、固定剤前駆体を微小粒子の調製中に生分解性ポリマーへ結合してもよい。] [0121] 一実施態様において、細胞は固定剤前駆体を固定物質に変換するのに適当な変換材の存在下で、生体内で適用される。] [0122] 別の実施態様において、ヒアルロン酸系の紫外線硬化ヒドロゲルを、フィブリノーゲンに対するのと同様な方法で用いてもよい。Zimmer Orthobiologics社のPhotofixHAはこのような物質の例の1つである。] [0123] 別の生物学的に許容可能な固定剤類(接着剤類)が使用されてもよい。重要なのは、本発明の組成物投与を妨げないように外科的処置の直前又は処置中に、固定剤を添加又は活性化することである。組成物投与は通常は注射によって行われるが、注射部位に細胞集団及び微小粒子を含有する固定化組成物を急速に形成することが可能である。微小粒子の使用は生体内において足場形成を可能にし、欠損部位の組織を増強するための組成物の能力を妨げることなく修復部位での十分な動きを可能にする一方で、足場成分(微小粒子)を徐々に生分解することで時間をかけた組織再生が可能であるが、これは通常挿入された哺乳類細胞集団による生物学的修復の期間内であり、更に周囲組織に由来する細胞の内方成長(in growth)に助けられるかもしれない。] [0124] 固定剤の使用により細胞は挿入部位に固定されるが、更に挿入部位における微小粒子の固定は微小粒子及び/又は細胞(又は両方の組み合わせ)が治療部位から離れた部位や器官に移動する危険性を大幅に減少させる。特に使用された細胞が、前癌細胞又は癌細胞の形成をも含む細胞分化のリスクがある細胞懸濁液から単離された場合、細胞が遠位又は予測不可能な器官へ移動すると、体内のどこか他の場所で不適切な組織の成長が起きる可能性がある。注射部位で細胞を固定することにより、欠損修復と挿入細胞の行く末を容易に監視することが可能である。] [0125] 一実施態様において、変換剤はトロンビン、トロンビン類似体、組み換えトロンビン、又は組み換えトロンビン類似体のような架橋剤である。] [0126] 一実施態様において、使用されるトロンビン濃度は0.1NIH単位及び150NIH単位の間、及び/又は1〜100mg/mlフィブリノーゲンを重合化するのに適するトロンビン濃度である。] [0127] インサイチュでの接着剤の調製では、接着剤が2成分系ベースである場合、重要なことは接着剤が生体内で形成(固定)するように前記成分を結合させることである。一実施態様において、このような架橋剤は本発明に係る組成物の一部分を形成してもよく、接着剤前駆体は使用直前に添加されてもよい。] [0128] 本発明の組成物は細胞接着(又は微小粒子と細胞との相互作用)を強化する化合物又は薬剤、例えば嚢(bladder)、小腸、皮膚由来の細胞外基質のような、あらゆる適当な組織の細胞外基質成分を含む。] [0129] 従って、本発明の組成物は細胞接着(又は微小粒子と細胞との相互作用)を強化する化合物又は薬剤、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、成長因子、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、コラーゲンI型及び/又はII型のようなコラーゲン、ゼラチン、及びアグリカンからなる群から選択される薬剤を含んでもよい。] [0130] デルマタン硫酸(DA)及び/又はヒアルロン酸(HA)は軟骨形成細胞を含む組成物との関連で、特に好ましい。] [0131] 一実施態様において、細胞接着(又は微小粒子と細胞との相互作用)を強化する化合物又は薬剤は約0.1から約15wt%の割合で、生分解性ポリマー(又は微小粒子)に組み込まれる。] [0132] 本発明の組成物は生物学的に許容可能な潤滑剤、等張緩衝液、抗体、成長因子、又は幹細胞を所望の細胞タイプへと細胞分化の細胞へ制御する刺激分子又は細胞因子を含む、他の成分を含んでもよい。] [0133] いくつかの応用のために本発明の組成物は少なくとも1つの刺激分子を含んでもよく、軟骨芽細胞/軟骨細胞でのシグナル伝達を誘導し、そしてコラーゲンII、VI、IX及びXI型のようなコラーゲンタンパク質、アグリカン、デコリン、フィブロモジュリン及びバイグリカンのようなプロテオグリカン、及び寒冷沈降物、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノーゲン、フィブリリン、キストリン、エキスタチン、フォンビルブランド因子、テナスチン及びアンキリンCIIのような非コラーゲン性蛋白質からなる群から選択されると考えられる。] [0134] 一実施態様において、組成物は更に1つ又は複数の非合成バイオポリマー、例えば多糖類、ポリペプチド、リグニン、ポリリン酸塩又はポリヒドロキシアルカン酸エステル、ゼラチン、ヒアルロナン、コラーゲンI型及び/又はII型のようなコラーゲン、キチン、キトサン、ケラチン、セルロース及びそれらの誘導体、及びアガロースを含んでもよい。] [0135] 一実施態様において、組成物は更に、例えば、インシュリン様成長因子1(IGF‐1)、MGFのような成長因子、又はTGF‐アルファ又はTGF‐ベータのような形質転換増殖因子(TGF)、又はFGF‐1又はFGF‐2のようなFGFを含んでもよい。] [0136] 一実施態様において、組成物は更に、ヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウムを含んでもよい。これらは微小粒子の成分又は組成物の別の成分、例えば、ヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウムを含むか、又はヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウムからなる粒子又は微粒子でもよい。] [0137] 一実施態様において、本発明の組成物は更に骨形態形成タンパク質(BMP)を含んでもよい。] [0138] K.Osther andothersによる先の開示(例えば、WO9808469;WO02083878;WO03028545及び米国特許第5,759,190号;第5,989,269号;第6,120,514号;第6,283,980号;第6,379,367号;第6,592,598号;第6,592,599号;第6,599,300号;第6,599,301号)では、細胞は足場に適用され、そして足場内で暫くの間培養され、それから細胞及び細胞含有足場の両方を標的(例えば、軟骨欠損)内に置く。これらの方法は微小粒子を利用しない。] [0139] 本発明は哺乳類細胞の1つ又は複数の集団を生分解性ポリマーの微小粒子集団に付着させる組成物の調製方法であって、以下: a)生体外での哺乳類細胞の1つ又は複数の集団と生分解性ポリマーの微小粒子集団とを接触させ;そして b)生体外で哺乳類細胞と生分解性ポリマーの微小粒子集団とを一定時間培養すること、 を含む、方法を提供する。] [0140] 好ましくは、工程b)の間に哺乳類細胞を微粒子に付着させ、微小粒子/哺乳類細胞の複合体を産生する。哺乳類細胞は付着して微小粒子の表面で成長し、又は多孔性微小粒子の場合は、多分その内部で成長すると思われる。] [0141] 本文中で使用されているように、「生体外での接触」という用語は生体外の条件、即ち生きている哺乳類が外部環境で制御されているという条件の下で、哺乳類細胞を生分解性ポリマーの微小粒子の上、微小粒子と共に、又は粒子内に適用する工程を意味する。] [0142] 本文で使用されているように、「生体外での培養」という用語は生体外の条件、即ち生きている哺乳類が外部環境で制御されているという条件の下で、哺乳類細胞を維持する工程を意味する。或いは、当業者は生体外で「細胞を成長させる」又は「細胞を増殖させる」という語句を使用してもよく、これは「培養」という用語の意味に含まれる。] [0143] この点において、本発明の組成物は細胞及び微小粒子を混合したら、一定期間培養してもよい。通常、培養工程は少なくとも数時間であり、例えば1〜24時間、又は1日から6日間のような数日間、又は1から6週間のような数週間でもよい。この文脈内での「数(Few)」は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24を示す。通常、培養は当業者にとってよく知られた、適切な培養条件で行われる。] [0144] 通常、組成物の調製は液体培地のような、適切な培地で行われる。微小粒子が培地に添加されたら真空にすることは有利であり、これは確実に培地が周囲及び/又は通過(多孔性微小粒子の場合)して広がり、そして培地中の微小粒子の拡散を促進する。このような実施態様では、細胞は真空工程の前か、好ましくは後に接触させてもよい。] [0145] 上記方法は更に、先に記載したような細胞接着の増強が可能な薬剤を含む、他成分を添加する工程を含んでもよい。このような他の成分は微小粒子の一部を形成するか、又は微小粒子及び/又は細胞を取り囲む培地に添加してもよい。] [0146] 特定の局面において、培地と混合した哺乳類細胞を、少なくとも細胞フリーの生分解性ポリマー微小粒子と共に、通常、培養皿又はフラスコに入れる。哺乳類細胞は大抵、細胞接着及び/又は細胞の内方への成長(in‐growth)を促進する成分と共に親水性足場物質を通して取り入れられる。] [0147] 記載された方法は、検体の生体組織の増強及び/又は再生に適する微小粒子集団調製のために、あらゆる哺乳類細胞を用いて応用されてもよい。] [0148] 哺乳類細胞が生分解性ポリマー微小粒子に適用されると、細胞は移動及び/又は成長し、このポリマーの表面上又は内部に固定され得ることが理解される。一実施態様において、組成物は細胞接着及び/又は内方への成長を促進する成分を含み、これは一実施態様において微小粒子に組み込まれてもよい。] [0149] 本発明は患者内の生体組織の再生又は増強方法を提供し、前記方法は本発明に係る組成物を調製し、そして前記組成物を生体組織に投与して再生及び/又は増強することを含む。] [0150] 生体組織は通常、生きている哺乳類個体の一部である。一般的に治療されるべき生体組織は上記方法により治療される欠損がある。] [0151] 好ましい実施態様において、注射による投与が適切である。] [0152] 本発明の組成物が最初に調製された時から、それを生体内で組織の増強/再生に使用するまでには、ある程度の時間が過ぎることを理解しておくべきである。実際、多くの場合哺乳類細胞の集団を微小粒子と培養することは役に立つ。これにより細胞が微小粒子又は微小粒子内部に接着し又は成長することができ、幹細胞が特定の細胞に分化すること、又は所望の細胞外基質を産生することもあり得る。] [0153] 「生きている哺乳類個体」とは移植に適する、あらゆる生きている哺乳類個体を意味し、好ましくはヒトであり、通常は患者である。しかし、本発明の方法はイヌ、ウマ、ヤギのような他の哺乳類にも適用可能である。] [0154] 本発明に係る生合成軟骨基質の移植方法は、内視鏡的手術法、関節鏡的手術法、又は最小侵襲手術法、又は従来の手術法又は観血的手術法と同様な手術法として、又は手術の間に行われてもよい。] [0155] 一実施態様において、移植は再建術又は美容手術の間に行われる。] [0156] 本文で使用されているように、「欠損」という用語は、組織が損なわれるか損傷を受けたあらゆる状態を意味し、現在の、又は将来起こり得る機能損失又は障害、身体障害、不快症状又は疼痛を伴う。欠損は好ましくは正常組織の顕著な損失、又は組織機能の損失、例えば、括約筋失禁と関連するような正常組織の損失を伴う。] [0157] 本発明の方法は予防的、即ち欠損が生じるのを防ぐため、又は現在の欠損の悪化防止、又は疾患の重症化を防止又は重症程度を低減するために使用してもよい。欠損は例えば、組織の空洞化、組織の裂傷又は外傷、組織密度の低下、異常細胞型の発現であってもよく、又は非健康的組織又は損傷組織等の外科的手術によって惹起され得る。] [0158] 一実施態様において、欠損は損傷関節軟骨、骨(骨関節炎)に達する及び/又は骨を含む関節軟骨欠損、軟骨及び骨欠損の組み合わせ、正常な軟骨又は骨に囲まれた骨の欠損、又は骨構造それ自体の欠損、又はSCASシステムにおけるような足場を伴う骨細胞の添加による補強を必要とする骨構造の何れでもよい。一実施態様において、欠損は関節軟骨欠損のように、軟骨内のものである。] [0159] いくつかの実施態様において、本発明の組成物を適用する前に移植部位に臨床条件下で1つ又は複数の微小破壊を意図的に行う。処置された哺乳類由来の宿主細胞が微小破壊部から移動して、移植片が移植部位へ接着するのを助けることが期待される。微小破壊の使用は軟骨又は骨欠損治療に、特に適切であると考えられる。] [0160] 本文中で使用される「組織」という用語は、例えばヒトのような生きている哺乳類個体の一部である、固形生体組織を意味する。組織は硬組織(例えば、骨、関節、及び軟骨)でもよい。組織は関節軟骨のような軟骨、骨、歯に関わる骨構造、歯に関わる靭帯及びセメント質のような歯周組織、靭帯及び腱、平滑筋又は他のあらゆる間葉組織のような筋肉からなる群から選択されてもよい。] [0161] 具体的な一実施態様では、組織は筋肉である。このような実施態様では、細胞集団は筋芽細胞又は筋芽細胞に分化可能な幹細胞のような細胞が適切である。筋肉は括約筋のような平滑筋でもよい。] [0162] 一実施態様において、本発明は括約筋の増強及び/又は修復方法を提供する。] [0163] 一実施態様において、本発明は便又は尿失禁のような失禁治療方法を提供する。] [0164] 一実施態様において、組織は骨である。このような場合、欠損は大腿骨、脛骨、股関節、脊柱、上腕骨、橈骨及び尺骨のような人体の様々な骨の骨折でもよい。組織は上顎(上顎骨)又は下顎(下顎骨)でもよい。] [0165] 本発明は更に以下: a.生分解性ポリマーの微小粒子集団を含むコンパートメント、及び; b.1つ又は複数の哺乳類細胞の集団を含むコンパートメント、及び任意に; c.a.で言及されたコンパートメントと同一又は異なるコンパートメントでもよく、生体適合性接着剤を含み、そして任意に; d.前記生体適合性接着剤のための変換剤を有するコンパートメントであって、 ここでa.で言及されたコンパートメントがb.で言及されたコンパートメントから単離される の独立した成分を含むキットに関する。] [0166] キットはコンパートメントを含み、a.、b.、又はc.で言及されたコンパートメントと同一又は異なってもよく、ここで前記コンパートメントは、例えば、成長因子、細胞接着を促進する成分等、本文中で記載されるような、その他の化合物又は薬剤を含む。] [0167] 前記キットの一部は本発明に係る組成物の成分を含むことが認められ、そして本発明に係る組成物を調製するために使用される。この点において、組成物の使用前に、哺乳類細胞の集団は微小粒子、及び任意に接着剤(固定剤前駆体)、そして任意に1つ又は複数の他の成分と組み合わされされる。細胞は任意に細胞と微小粒子の結合を増強する薬剤の存在下で、使用前に一定期間微小粒子の存在下で培養してもよい。次いで接着剤、及び任意の他成分は、使用直前に添加されてもよい。] [0168] 好ましい実施態様において、キットの一部は軟骨修復用及び空洞が存在するようなその他の欠損のためのキットに関する。このようなキットは好ましくは: a)ペーストを形成するための300mg/mlの濃度の球体を含む。そして活性剤を含んでもよい; b)2mmの深い欠損には、1cm2当たり100万個の濃度の細胞; c)フィブリン接着剤のような組織糊; d)欠損部に球体を適用するために必要な装置を含む。例えば、無針ではあるが可撓性排出口を有するシリンジであって、該シリンジが関節鏡処置によって関節内の様々な位置に存在する欠損へ到達可能であることを保証する。] [0169] ペーストは粒子と水を20〜60%w/wの範囲で混合して得ることができる。実験13の粒子は0.2gの粒子と1mlの水を混合してペーストを形成した。] [0170] このキットはb)の細胞が存在しなくても形成可能であった。] [0171] 別の好ましい態様において、キットの一部は括約筋の置換のような、筋の修復用キットに関する。このようなキットは好ましくは: a)液体を形成するための10〜150 mg/mlの濃度の球体。そして、球体は活性剤を含んでもよい; b)50〜100 mg当たり100万個の濃度の細胞; c)筋肉内に細胞を置くための装置。例えば、針付きシリンジを含む。] [0172] 注射可能な粒子懸濁液は粒子と水を1から40%w/wの範囲で混合すると得られる。実験3の粒子は1mlの水に0.4gの粒子を混合して、23Gの針で注射可能な懸濁液を形成した。] [0173] このキットはb)の細胞がなくても形成可能であった。] [0174] 好ましい固定(接着)物質はフィブリンである。] [0175] 好ましい態様において、固定物質はヒドロゲルの形態、即ち水を結合できるゼラチン物質、例えば、固定剤前駆体のフィブリノーゲンと変換剤のトロンビンとの組み合わせによって形成されたフィブリンである。] [0176] 本明細書で使用される用語「固定剤前駆体」は、固定物質に変換され得る化合物又は物質を意味し、大抵本明細書中で「変換剤」呼ばれる別の化合物の作用により固定物質に変換され得る。] [0177] 一実施態様において、変換剤は架橋剤及び/又は重合剤及び/又はゲル化剤でもよい。] [0178] 一実施態様において、固定剤前駆体から固定剤への変換は、変換剤の適用により生じる。固定剤前駆体への変換剤の添加は、好ましくは欠損部位へ組成物を適用する直前、適用と同時に、又は適用直後に行う。−即ち、固定剤前駆体をゲル/ヒドロゲル又は固形のような固定剤に変換する変換剤の効果は、細胞が欠損部位に適用された時のみ現れる。] [0179] 一実施態様において、変換剤は基質をフィブリンゲルのようなゲルへ変換するのに適した酵素である。] [0180] 一実施態様において、変換剤はPhotofixHAを用いるような紫外光線である。] [0181] 一実施態様において、生分解性ポリマーは、使用前にai)固定剤前駆体又はii)活性の保持が可能な変換剤(例えば、HumaGene社(シカゴ、イリノイ)が開発したトロンビン類似体)を含浸させるような方法で調製される。欠損部位への本発明の組成物の適用直前、適用中、又は適用後、i)変換剤又はii)固定剤前駆体を続いて添加すると、インサイチュで効果的に接着剤が作られる。] [0182] 本発明のいくつかの実施態様で使用される固定剤前駆体は、ゲル化剤を含む生体適合性の糊(glue)又は接着剤(adhesive)のいかなる形態でもよく、軟骨性基質の足場への固定及び細胞の足場への固定の両方を可能とする固定剤へ変換された時、多孔性足場により吸収され得る。] [0183] WO2004/110512はこれを参照することにより本文中へ組み込まれるが、固定剤前駆体と、固定剤前駆体と変換剤との適切な組み合わせの具体例をいくつか提供する。適切には、固定剤前駆体の変換剤に対する比は固定化が発生する速度と、固定化によってもたらされる支持レベルの両方を制御するために使用され得る。] [0184] 適切な固定剤前駆体はアガロース又はアルギナーゼのような多糖類、又はフィブリノーゲン、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲンぺプチド(I型、II型及び/又はIII型)からなる群から選択されるタンパク質のようなタンパク質でもよい。] [0185] 固定剤前駆体は生体適合性であり、例えばヒトから得られたものか又は組み換え発現された代替物のどちらでもよい。ヒトフィブリノーゲンは好ましい固定剤前駆体であり、例えばトロンビンに暴露されると重合する。固定剤は生体適合性の医療用接着剤であることが好ましい。] [0186] 一実施態様において、例えば固定剤前駆体がフィブリノーゲンであるとき、変換剤がトロンビン又はトロンビン類似体である。Factor XIIIのような他の凝固因子が変換を促進するために添加されてもよい。具体的な実施態様では、フィブリノーゲンを重合させるトロンビンの切断効果を促進し得るイオン類、又はナトリウム、カルシウム又はマグネシウム等のような塩類が添加されてもよい。どのような起源のトロンビンでも使用され得るが、生物学的に適合する形態で使用されることが好ましい。例えば、ヒト組み換えトロンビンがヒト組織欠損の治療で使用されてもよい。又は、ウシトロンビンのような、他の起源のトロンビンが使用されてもよい。] [0187] 固定はヒドロゲルのようなゲル(即ち、ゲル化)を形成する形をとってもよく、これは細胞の移動と成長に適当な培地を与え、それによって足場を通して新規軟骨組織の成長を促進しながら、細胞を足場内に固定する。] [0188] 一実施態様において、生物学的に許容可能な固定剤前駆体はフィブリノーゲンのように、生物学的に得られるか由来する成分である。] [0189] フィブリノーゲンは組み換えフィブリノーゲン(例えば、HumaGene社(シカゴ、イリノイ、米国)の組み換えフィブリノーゲン)でもよい。このように、組み換えフィブリノーゲンは組み換え哺乳類宿主細胞から単離されてもよく、例えば同種の哺乳類個体、又は遺伝子組換え宿主から得られるか又は由来する宿主細胞でもよい。] [0190] あるいは、フィブリノーゲンは、ヒト血漿のような血漿に由来し精製される。] [0191] 使用されるフィブリノーゲンの適切な濃度は1〜100mg/mlである。] [0192] 一実施態様において、特に固定剤前駆体がフィブリノーゲンである時、変換剤はトロンビン、トロンビン類似体、組み換えトロンビン又は組み換えトロンビン類似体からなる群から選択されてもよい。] [0193] 使用されるトロンビンの適切な濃度は0.1NIH単位及び150NIH単位の間であり、及び/又は1〜100mg/mlのフィブリノーゲンを重合するのに適切なトロンビンのレベルである。] [0194] 標準NIH単位はトロンビン測定のために使用される所定の国立衛生院標準単位を意味し、Gaffney PJ,Edgell(Thromb Haemost.1995 Sep;74(3):900‐3)によると、1.1から1.3IU、好ましくは1.15IUの間のトロンビンに相当する。] [0195] 用語「生物適合性の」は組成物又は化合物を意味し、これは患者の体のような哺乳類の体内に挿入された時、特に欠損部位に挿入された時、大きな影響を及ぼす毒性又は個体からの有害な免疫反応を引き起こさない。] [0196] 組織糊が選択された場合、球体、細胞及び糊が混合され、そして糊が完全に硬化する前に(例えば、欠損部へ)適用することが好ましい。] [0197] 一実施態様において、生分解性ポリマーはa)グリコリド、L‐ラクチド、DL‐ラクチド、メソ‐ラクチド、e‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、d‐バレロラクトン、β‐ブチロラクトン、g‐ブチロラクトン、e‐デカラクトン、1,4‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5,8,12‐テトラオキサシクロテトラデカン‐7‐14‐ジオン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、6,6‐ジメチル‐1,4‐ジオキサン‐2‐オン、及び炭酸トリメチレンのホモ又はコポリマー;b)一又は二官能性ポリエチレングリコールと上記a)のポリマーとのブロックコポリマー;c)一又は二官能性ポリアルキレングリコールと上記a)のブロックコポリマー;d)上記ポリマー混合物;及びe)ポリ酸無水物類及びポリオルトエステル類からなる群から選択されてもよい。] [0198] 一実施態様において、生分解性ポリマーはコラーゲン、アルギン酸塩、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、MPEG‐PLGA又はPLGAからなる群から選択されてもよい。] [0199] 幾つかの実施態様において、生分解性ポリマーは親水性である。] [0200] 幾つかの実施態様において、生分解性ポリマー又は前記生分解性ポリマー含有微小粒子は水及び/又は等張緩衝液に対して浸透性である。] [0201] 一実施態様において、生分解性ポリマーはポリマー又はポリマー類から(実質的に)なるか、又はポリマー又はポリマー類の大部分を含むように含み、これらのポリマーは平均分子量が約1kDaより大きく、例えば約1kDa及び約100万kDaの間、例えば25kDa及び75kDaの間であるような分子量を有する。] [0202] 好ましい実施態様において、生分解性ポリマーは合成である。] [0203] 生分解性ポリマー又は微小粒子の孔は細胞接着及び/又は組織再生のための内方への成長を促進する成分によって部分的に占有されてもよく、これらは例えばコンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、成長因子、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、コラーゲン、ゼラチン、及びアグリカンである。] [0204] 興味深い実施態様において、ヒアルロン酸のように細胞移動及び/又は組織再生を増強する化合物の量は、例えば約0.1と約15wt%の間の比率、例えば0.1と10wt%の間の比率で、生分解性ポリマー又は微小粒子内へ組み込まれる。一実施態様において、そのレベルは15wt%より低く、例えば10wt%又は5wt%より低い。一実施態様において、そのレベルは0.01wt%より高く、例えば0.1wt%又は1wt%より高い。] [0205] 上記の生分解性ポリマー又は微小粒子は、生物学的に許容可能なあらゆる適切な材料からなるか、又は含んでもよいが、好ましい実施態様において、足場は一般的にポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(D,L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)(PLGA)、MPEG‐PLGA(メトキシポリエチレングリコール)‐ポリ(D,L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)、ポリヒドロキシ酸類からなる群から化合物を含む。この点において、孔隙及びあらゆる追加成分、例えば細胞接着及び/又は組織再生のための内方への成長を促進する成分を除外した足場は、少なくとも50%、例えば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の、本文中で提供されたポリマー混合物を含む1つ又は複数のポリマーを含んでもよい。] [0206] PLGA及びMPEG‐PLGAが特に好ましい。] [0207] 生分解性ポリマー又は微小粒子は、上記に挙げられたような化合物を含む溶液を溶液中で凍結乾燥して調製してもよい。] [0208] 幾つかの実施態様において、生分解性ポリマー又は微小粒子は90%より小さく、例えば70%より小さく、例えば50%より小さい孔隙率を有してもよい。] [0209] 幾つかの実施態様において、生分解性ポリマー又は微小粒子は非多孔性又は実質的に非多孔性、例えば、空隙率が5%より小さく、2%より小さく、更に1%より小さい。] [0210] 他の実施態様において、生分解性ポリマー又は微小粒子は、20%から99%、例えば50から95%、又は75%から95%の範囲の孔隙率を有してもよい。] [0211] 孔隙率は当技術分野で周知のあらゆる方法、例えば孔体積を固形微小粒子体積と比較して測定してもよい。これは微小粒子と同じ組成物の実質的に非多孔性のサンプルと比較して微小粒子の密度を測定することにより行われてもよい。又は、物理的及び化学的ガス吸着(例えば、多点B.E.T.窒素吸着技術による表面積)、及び水銀圧入型ポロシメーター又は沈殿法を使用してもよい。] [0212] 多孔性微小粒子の一使用例が提供されるが、ここに公開された実施例は、例えば生物、好ましくはヒト、への移植のためのものである。多孔性粒子を提供することにより、粒子の構造的一体性とできる限り生体に対して外来物質の少ない移植との間でバランスをとっている。構造的一体性によって、粒子は分解する間でも崩壊が起きず、細胞成長の間に組織によって置換され得ることは確かである。外来物質の移植による1つの欠点は、MPEG‐PLGA及びPLGAの両方の分解産物が酸であることにある。このように、多孔質構造体と移植物質が少ないことで、酸分解産物及び周囲組織の酸化がより少なくなる。] [0213] 更に、多孔性粒子の利点は粗表面が得られることである。このような粗面により、組織が形成される時、細胞は接着し、成長しそして足場を分解することがより簡単になる。] [0214] 一実施態様において、微小粒子のサイズは、平均で10から1000ミクロンの間、例えば25から500ミクロン、例えば20から400ミクロン、例えば40から200ミクロンの間である。] [0215] 一実施態様において微小粒子のサイズ、又は一実施態様において微小粒子の平均サイズは1000ミクロンより小さく、例えば700ミクロンより小さく、例えば500ミクロンより小さく、例えば400ミクロンより小さく、例えば300ミクロンより小さく、例えば200ミクロンより小さく、又は100ミクロンより小さい。] [0216] 特定のサイズ範囲にある粒子を選択するには、例えば、サイズ分画フィルターを使用してもよい。通常、サイズ範囲は初期に選択してもよいが、粒子の好ましいサイズ範囲は、例えば20〜100ミクロンの間であり、適切なサイズフィルターで篩うことにより得られる。] [0217] 一実施態様において粒子のサイズ、又は一実施態様において粒子の平均サイズは、200ミクロン(直径)より小さく、例えば100ミクロンより小さく、例えば75ミクロンより小さく、例えば50ミクロンより小さく、例えば40ミクロンより小さく、例えば30ミクロンより小さく、例えば20ミクロンより小さく、又は1から50ミクロンの間、例えば1から40ミクロンの間、1から30ミクロンの間、1から20ミクロンの間、1から10ミクロンの間である。] [0218] 一実施態様において微小粒子のサイズ(又は平均サイズ)は少なくとも10ミクロン、例えば少なくとも20ミクロン、例えば少なくとも30ミクロン、例えば少なくとも40ミクロン、例えば少なくとも60ミクロン、例えば少なくとも70ミクロン、例えば少なくとも80ミクロン、例えば少なくとも90ミクロン、例えば少なくとも100ミクロンである。] [0219] 微小粒子は小さいことが好ましい。つまり、実施例と図に記載したように、粒子は20〜110μmのサイズで分布している。] [0220] 一実施態様において、生分解性ポリマー又は微小粒子は生体高分子、即ち、タンパク質、多糖類、リグニン、ポリリン酸塩又はポリヒドロキシアルカン酸エステル(例えば、米国特許第6,495,152号に記載されているように)、のようなバイオポリマーを含む。適切なバイオポリマーはゼラチン、コラーゲン、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ケラチン、シルク、セルロース及びそれらの誘導体、及びアガロースからなる群から選択されてもよい。他の適切なポリマー又はバイオポリマーはコラーゲンIV型又は例えば、脱脂及びその他の処理を施され、グリコサミノグリカンと共にコラーゲンII型を残した天然軟骨材料を含む、他の修飾コラーゲン(米国特許第6,676,969号)を含む。又は、精製されたコラーゲンII型の粒子はグリコサミノグリカン及びその他の必要なあらゆる添加剤と混合してもよい。このような追加の添加剤は、例えば、コンドロネクチン又はアンコリンIIを含み、軟骨細胞がコラーゲンII繊維及び軟骨惹起因子(CIF)、インスリン様及び形質転換成長因子(TGFβ)のような成長因子への接着を助ける。] [0221] 幾つかの実施態様において、生理的溶液、緩衝液、又は水のような水溶液中に置いた時、生分解性ポリマーは親水性であり、即ち、少なくとも少量の水又は水溶液(例えば、ヒドロゲル溶液のような細胞懸濁組成物など)を吸収する能力、例えば、少なくとも1%、例えば少なくとも2%、例えば少なくとも5%、例えば少なくとも10%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、例えば少なくとも50%の足場体積又は、水(又は相当する水溶液)を吸収する能力を有する。幾つかの応用例にとって、ポリマーが上記細胞懸濁液をその多孔性構造内に吸収できることは都合がよく、それによって微小粒子を介して細胞の比較的均一な分布を与える。] [0222] 幾つかの実施態様において、生分解性ポリマーは少なくとも親水性であり、即ち、MPEG‐PLGAコポリマーのMPEG部分のようにかなり親水性を示すポリマー成分を有する。] [0223] 親水性という用語は「極性」という用語と同じ意味で使用される。] [0224] 非極性ポリマー又は微小粒子が使用される場合、ポリマー又は微小粒子は湿潤剤のように細胞の更新を促進する薬剤を用いて調製されることが好ましい。湿潤剤は親水性ポリマーと共に使用されてもよく、更に多孔性構造内への細胞の侵入を改善する。] [0225] 微小粒子はポリエステルを含むか又はポリエステルからなってもよい。ポリマー又は微小粒子における親水性ブロックの挿入により、ポリマー又は微小粒子の生体適合性は材料の濡れ特性の改善に応じて改善されてもよく、そして非極性材料上では初期の細胞接着性が弱まる。] [0226] 本発明の興味深い実施態様では、本発明に係る生分解性ポリマーは、ポリ(L‐乳酸)(PLLA)、ポリ(D/L‐乳酸)(PDLLA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)及びポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)(PLGA)、及びそれらの誘導体、特に置換基の付加又は例えば、MPEG又はPEGのようなポリマーの親水性を強化する組成物を有する個々のポリマー骨格を含む誘導体を含む群から選択される1つ又は複数のポリマーからなるか、又は含む。実施例が本文中に示され、特に好ましいポリマーの群であるMPEG‐PLGAを含む。] [0227] 一実施態様において、足場は合成ポリマーからなるか又は含む。] [0228] WO07/101443は本発明の生分解性ポリマーとしての使用に適切なポリマー及びその調製方法を開示する。] [0229] 本発明の方法で使用される好ましい生分解性ポリマーはポリアルキレングリコール残基および1つ又は2つのポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基からなる。] [0230] それ故、本発明の方法における使用の一局面において、足場は下記一般式:] [0231] ] [0232] [式中、 Aは少なくとも4000g/molの分子量のポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基であり、ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基中の(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位のモル比は80:20から10:90、特に70:30から10:90、更に好ましくは60:40から40:60又は50:50を含む約50:50の範囲であり; Bは、Aとして定義されたようなポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基か、或いは水素、C1-6‐アルキル及びヒドロキシ保護基からなる群から選択され; 各‐(CHR1CHR2O)‐単位内のR1及びR2の1つは水素およびメチル基から選択され、そして同一の‐(CHR1CHR2O)‐単位内のもう一方のR1及びR2は水素であり; nはポリマー鎖内の‐(CHR1CHR2O)‐単位の平均数を表し、10〜1000、特に16〜250の範囲の整数であり; ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基において、(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位の結合量に対する(iii)ポリアルキレングリコール単位‐(CHR1CHR2O)‐のモル比は、多くても20:80であり; そして共重合体の分子量は少なくとも10,000g/mol、好ましくは少なくとも15,000g/mol、又は少なくとも20,000g/molである。] のポリマーから調製されるか、又はポリマーを含むか、又はポリマーからなる。] [0233] 従って、本発明の方法で使用するポリマーは、ジブロック型又はトリブロック型のどちらでもよい。] [0234] 本発明で使用されるポリマーは1つ又は2つの残基A、即ちポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基を含むことが理解される。このような残基類の分子量は少なくとも4000g/mol、より具体的には少なくとも5000g/mol、又は少なくとも8000g/molであることがわかる。] [0235] ポリマーであるポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)は、例えば体液及び組織中のような生理的条件下で分解され得る。しかし、これらの残基の分子量(及び本文中に記載されたその他の要件)のために、材料及びポリマーから作られた目的物はポリマーが完全に分解される前にその目的を果たすように、その分解には十分に時間がかかると思われる。] [0236] 「ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)」という表現は、例えばポリ(ランダム‐乳酸‐グリコール酸共重合体)、ポリ(DL‐乳酸‐グリコール酸共重合体)、ポリ(メソ乳酸‐グリコール酸共重合体)、ポリ(L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)、ポリ(D‐乳酸‐グリコール酸共重合体)の多数のポリマー変種を含み、PLGA中のラクチド/グリコリドの配列はランダム、漸変性又はブロックでもよく、そのラクチドはL‐ラクチド、DL‐ラクチド又はD‐ラクチドでもよい。] [0237] 好ましくは、ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)はポリ(ランダム‐乳酸‐グリコール酸共重合体)又はポリ(漸変性‐乳酸‐グリコール酸共重合体)である。] [0238] もう一つの重要な特徴は、ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基における(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位のモル比は、80:20から10:90、特に70:30から10:90、更に好ましくは60:40から40:60又は50:50を含む約50:50の範囲である。] [0239] ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基における、(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位のモル比は、70:20又はそれ以下のポリマーが最良の結果となることが一般的に認められるが、ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基において、(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位の結合量に対する(iii)ポリアルキレングリコール単位‐(CHR1CHR2O)‐のモル比が多くても8:92を超えない限り、それぞれのモル比が最高80:20までのポリマーであれば、かなり良好な結果が認められる。] [0240] 上記のように、BはAとして定義されたようなポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基か、或いは水素、C1-6‐アルキル及びヒドロキシ保護基からなる群から選択される。] [0241] 一実施態様において、BはAとして定義されたようなポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基、即ち、トリブロック型のポリマーである。] [0242] 別の実施態様において、Bは水素、C1-6−アルキル及びヒドロキシ保護基、即ちジブロック型のポリマーからなる群から選択される。] [0243] (この実施態様内において)最も一般的には、BはC1-6‐アルキル、例えばメチル、エチル、1‐プロピル、2‐プロピル、1‐ブチル、tert‐ブチル、1‐ペンチル、等であり、最も好ましいのはメチルである。Bが水素、即ち、末端のOH基に相当する場合、ポリマーは一般的にBとしてヒドロキシ保護基を用いて調製される。「ヒドロキシ保護基」は、例えば水素化分解、加水分解、又はポリマーを分解しない、その他の適切な手段によってポリマーの合成後除去されうる基であり、このようにしてPEG部分上の遊離ヒドロキシ基を遊離する。例えば、Greene,T.W.and Wuts,P.G.M.(Protecting Groups in Organic Synthesis, third or later editions)による、最新の方法を記載する教科書を参照のこと。特に有用なこれらの例は、ベンジル、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、及びベンゾイルオキシカルボニルである。このようなヒドロキシ保護基はBが水素であるポリマーを得るために、除去されてもよい。] [0244] 各‐(CHR1CHR2O)‐単位内のR1及びR2の1つは、水素及びメチルから選択され、そして同一の‐(CHR1CHR2O)‐単位内のもう一方のR1及びR2は水素である。それ故、‐(CHR1CHR2O)n‐残基はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール‐プロピレングリコール共重合体)の何れかでもよい。好ましくは、‐(CHR1CHR2O)n‐残基はポリエチレングリコール、即ち、各単位内のR1及びR2の両方は水素である。] [0245] nはポリマー鎖内の‐(CHR1CHR2O)‐単位の平均数を表し、10〜1000、特に16〜250の範囲の整数を表す。nは様々なポリマー分子プール内の‐(CHR1CHR2O)‐単位の平均数で表されていることを理解すべきである。これは当業者にとって明白であろう。ポリアルキレングリコール残基(‐(CHR1CHR2O)n‐)の分子量は、750〜10,000g/mol、例えば750〜5,000g/molの範囲内が一般的である。] [0246] ‐(CHR1CHR2O)n残基は、一般的に生理的条件下で分解されないが、その一方で、生体内、例えば人体から分泌されるかもしれない。] [0247] ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基における、(i)ラクチド単位及び(ii)グリコリド単位の結合量に対する(iii)ポリアルキレングリコール単位‐(CHR1CHR2O)‐のモル比もある役割を果たし、最大20:80が好ましい。より一般的には、前記比率は最大18:82、例えば16:84、好ましくは14:86、又は最大12:88、特に好ましくは最大10:90、又は最大8:92である。多くの場合、比率の範囲は0.5:99から18:82、例えば1:99から16:84の範囲であり、好ましくは1:99から14:86の範囲内、又は1:99から12:88の範囲内、特に2:98から10:90の範囲内、又は2:98から8:92の範囲内である。多くの場合、その比は0.5:99.5から18:82の範囲にあり、例えば1:99から16:84、好ましくは1:99から14:86、又は1:99から18:82、特に2:98から10:90、さらに2:98から8:92の範囲内にある。] [0248] 共重合体の分子量は、少なくとも10,000g/molである限り、特に重要ではない考えられる可視、分子用は少なくとも15,000g/molが好ましい。「分子量」はポリマーの平均分子量数として解釈される。何故なら、当業者はポリマー分子プール中で、ポリマー分子の分子量はガウス分布によって表されるように平均値周辺に分布する値によって表されるであろうことをは理解しているからである。更に一般的には、分子量は、10,000〜1,000,000g/mol、例えば15,000〜250,000g/mol、又は20,000〜200,000g/molの範囲内にある。特に興味深いポリマーは少なくとも20,000g/mol、例えば少なくとも30,000g/molを有することがわかる。] [0249] ポリマーは以下に示される構造でもよい(ここでRは水素、C1-6‐アルキル及びヒドロキシ保護基から選択される;nは上記に定義された通りであり、m、p、ranはポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基に対する上記定義が満たされるように選択される)。] [0250] ] [0251] 上記ポリマー構造(I)及び(II)の各々に対し、p及びmによって表されるラクチド及びグリコリド単位は出発物質と反応条件によりランダムに割り振られてもよいことがわかるだろう。] [0252] 又、ラクチド単位はD/L、L又はDでもよく、一般的にD/L又はLでもよいことがわかる。] [0253] 上記のように、ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基、例えばポリエステル残基は、生理的環境下で加水分解により分解され、ポリアルキレングリコール残基は例えば人体から分泌される。生分解性は、実験の項で説明されるように評価される。] [0254] ポリマーは原則、当業者に既知の、以下の方法で調製することができる。] [0255] 原則、Bが残基A(ジブロック型ポリマー)であるポリマーは、以下のように調製することができる。] [0256] ] [0257] 原則、Bが残基A(トリブロック型ポリマー)ではないポリマーは、以下のように調製することができる。] [0258] ] [0259] 特別な条件が適用されない限り、ラクチド単位及びグリコリド単位の分布は各ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)残基内で、ランダムに分配されるか、漸変されるだろう。] [0260] 足場に使用されるポリマーに存在するグリコリド単位及びラクチド単位の比は、上限が約80:20の間、及び下限が約10:90の間であり、更に好ましい範囲は約60:40から40:60が好ましい。] [0261] 好ましくはPEG含有量の上限は最大約20モル%、例えば最大約15モル%、例えば1〜15モル%の間、好ましくは4〜9モル%の間、例えば約6モル%である。] [0262] 本文脈では、生分解性ポリマーは生体内の生物システムに導入された後、一定期間後に消失するポリマーを意味する;その消失メカニズムは多様性があり、加水分解でもよく、分解、生物分解/生物再吸収(bioresorbable)/生物吸収(bioabsorbable)、溶解又は生物システムから消失する他の方法でもよい。臨床状況で使用される場合、修復部位から除去するものが何もないことは臨床的に非常に大きな利点である。このように、新たに形成された組織は一時的な足場の存在又は除去による妨げやストレスを被らない。その用途により、1日から10週の間に足場が分解されることが一般的には好ましい。] [0263] 実施例に示されるように、生体外モデルを利用して幾つかのポリマーの生分解性、そして生分解性ポリマーの生体外での分解を測定することが可能である。一実施態様において、ポリマーはpH7、60°Cのリン酸緩衝液中で分解するので、例えば10日、20日、又は30日後には僅か5%のポリマーが残るだけである。] [0264] PLGA系ポリマーのような幾つかのポリマーでは、(生)分解はある程度までは、自己分解過程で生じるか、又は関わる。この過程は外部からの放射線照射によって適切に早めることが可能である。一実施態様において、ポリマーの分解は、例えばベータ粒子のような線源を投与することにより早めてもよい。] [0265] PLGA又はMPEG‐PLGAのようにフリーラジカルにより分解されるポリマーの生分解性は滅菌又は、例えばベータ照射による前処理で開始可能である。] [0266] ラクチド及びグリコリドの分子比を変えることにより、DL‐ラクチド及びグリコリドの共重合体の分解時間を変えることは可能である。純粋なポリグリコール酸の分解時間は6〜12カ月であり、ポリ(D,L‐乳酸)では12〜16か月、85:15のポリ(D,L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)では2〜4カ月である。最短の分解は50:50モル比で得られ、1〜2カ月である。分子量を変えることにより、分解時間を変えることも可能であるが、この効果はL:G‐比での可能な変化に比べて小さい(図8及び9を参照)。論理的には、極めて低分子量の物質が実質的により早く分解され得るが、殆どの医療器具にはこれらの使用を不可能にするような機械的性質がある。] [0267] 本発明に係るミクロスフェア及び微小粒子の合成は更に、実験の項で説明する。] [0268] ポリマー又は微小粒子は、上記のように特定の空隙率を有する生分解性の多孔性物質でもよい。] [0269] ポリマー又は微小粒子物質の空隙は、合成の生分解性ポリマー又は微小粒子内への細胞接着及び/又は内方成長を許すか又は促進するために、未占有の状態でもよい。一実施態様において、物質の孔は少なくとも部分的に細胞外基質に由来する成分で占有される。細胞外基質成分の例は、コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヒアルロン酸、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、成長因子、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、コラーゲン、ゼラチン、及びアグリカンである。] [0270] 他の部分で論じられるように、足場は変換剤であるトロンビンを単独又は上記の1つと組み合わせで含んでもよい。] [0271] 細胞外基質に由来する成分は、不均一に分散される粒子又は表面コーティングとして添加されるかもしれない。合成ポリマーに対する細胞外基質由来成分の濃度は通常、0.5〜15%(w/w)、好ましくは10%(w/w)より少ない範囲である。更に、細胞外基質成分は、物質の体積に対して好ましくは最大0.3%(w/v)、例えば最大0.2(w/v)である。] [0272] 多孔性物質は、例えば、Antonios G.Mikos,Amy J.Thorsen,Lisa A Cherwonka, Yuan Bao & Robert Langer;Preparation and characterization of poly(L‐lactide) foams.Polymer 35,1068‐1077(1994).により開示された既知の技術に従って調製してもよい。しかし、多孔性物質の調製に非常に有用な技術の1つは、凍結乾燥である。] [0273] 一実施態様において、合成の生分解性ポリマー又は微小粒子は、WO07/101443で開示された方法により調製されるようなポリマーの足場である。前記方法は特にPLGA及びMPEG‐PLGAポリマーから足場を調製するのに適している。] [0274] 本発明の幾つかの局面において、合成の生分解性ポリマー又は微小粒子は、WO07/101443で開示された方法により調製された足場であり、その方法は: (a)ポリマー溶液を得るために、本文中で定義されたように非水性溶媒中でポリマーを溶解し; (b)凍結ポリマー溶液を得るために、工程(a)で得られた溶液を凍結し; そして (c)生分解性の多孔性物質を得るために、工程(b)で得られた凍結ポリマー溶液を凍結乾燥する。 (d)そして、任意に、必要に応じて(c)で得られた物質を機械的に破壊し、任意に所望の粒子サイズに分画する工程を含む。] [0275] WO07/101443で開示された方法で使用された非水溶性溶媒は、溶融点に関して適切に凍結されるように選択されるべきである。その実例はジオキサン(mp.12°C)及び炭酸ジメチル(mp.4°C)である。] [0276] 実施態様において、細胞外基質由来成分の粒子は本発明に係る方法で使用され、これらの細胞外基質成分は、溶液(分散)が工程(b)で定義されたように凍結される前に、工程(a)で得られた溶液中で分散されてもよい。] [0277] 細胞外基質由来成分を、例えば、適切な溶媒に溶解し、それから工程(a)で得られた溶液に添加してもよい。工程(a)の溶媒、即ち本文中で定義されたポリマーのための溶媒と混合することにより、細胞外由来基質成分は分散を形成するために、大抵は沈殿する。] [0278] 一局面において、生分解性ポリマー又は微小粒子をグルコサミノグリカン(例えばヒアルロナン)溶液中に浸漬し、続いて凍結乾燥した。] [0279] 以下、PSDは粒子サイズ分布を意味する。 実施例1 装置 Sonics 20kHz ultrasonic probe Sonotek 25kHz ultrasonic probe NE‐1000シリンジポンプ、New Era Pump Systems社製 10、25、50 mLのハミルトンシリンジ 1/16”PTFEチューブによって超音波プローブに導入されるポリマー溶液 ポリマー:MPEG‐PLGA 2〜30kDa 懸濁度を測定するためのHydro2000sアクセサリを有するMalvern Mastersizer 2000 粒子サイズ分布の測定:粒子を少量のドデシル硫酸ナトリウムと共に水中で懸濁し、Malvernで超音波処理と測定を行った。 光学顕微鏡法:オリンパスBX60、画像はImagepro 5.1で処理された。] [0280] 実験1: アセトン中のポリマー4%(w/v)溶液を、撹拌された冷却イソプロパノール(−50〜(−30)°C)浴槽上で霧化した。この懸濁液は20分間撹拌され、吸引により冷却濾過された。粒子は完全に乾燥されるまで吸引されなかった。粒子は真空中(0.04mbar)で24時間乾燥され、更に特性解析が行われるまで密閉バイアルに保存された。図1は実験1のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図1 [0281] 実験2: アセトン中のポリマー10%(w/v)溶液が、霧化され実験1で記載されたように収集された。図2は実験2のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図2 [0282] 実験3: アセトン中のポリマー10%(w/v)溶液を、アセトン/EtOH 86/14中で8.8%ポリマーになるまでエタノールで希釈し、霧化し(Ultrasonic atomizer,25 kHz)、そして実験1で記載されたように収集した。図3は実験3のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図3 [0283] 更に、得られた粒子のSEMによる特徴を図3‐I及び3‐IIに示す。粒子の内部形態の可視化は−25°Cでの低温切片により得た。この目的のために、粒子をTissue‐Tek SakuraのO.C.T.(商標)マウントメディウム中でマウントし、SEMで可視化した。] 図3 [0284] これらの結果から、この方法により製造された粒子は中空のシェルを有し、空隙率がナノの範囲内であることが明らかであった。] [0285] 実験4: 実験1のように1,4‐ジオキサン中で4%(w/v)の場合。図4は実験4のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図4 [0286] 実験5: 実験1のように、炭酸ジメチル中で4%(w/v)の場合。図5は実験5のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図5 [0287] 実験6: 実験1のように、炭酸ジメチル中で10%(w/v)の場合。図6は実験6のための光学顕微鏡法、SEM及び粒子サイズ分布を示す。] 図6 [0288] 追加の非溶媒と共に溶媒から凍結乾燥した粒子: 適切な溶媒の例:ジオキサン、炭酸ジメチル、 非溶媒の例:水、メタノール、エタノール、1‐プロプラノール、2‐プロプラノール、n‐ブタノール、2‐ブタノール、イソブタノール、t‐ブタノール、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘキサン類、ヘプタン、ヘプタン類。] [0289] 実施例2 2gのMPEG‐PLGA2〜30を100mlの1,4‐ジオキサン中に溶解した。この溶液50mlに対し、21.5mlのイソプロプラノール(IPA)を添加した。この溶液をアルミ型に注ぎ、そして凍結乾燥機(−30°Cの棚温度)に置く。溶液が凍結したら、10mlのジオキサンと4,3mlのIPAの混合液をその上に注ぎ、これが凍結したら真空にする。生成物を下記プログラムで凍結乾燥した: −30°C、2時間、 −20°C、5時間、 +20°C、24時間。] [0290] 調製された生成物は綿毛状のパウダーであった。いくつかの大きなフレークが300μmメッシュの篩により除去される。パウダーは光学顕微鏡法で解析され、広範な粒子サイズを有するポリマーの不均一な細片を含むようにみえる(図7a)。] 図7a [0291] 実施例3 2gのMPEG‐PLGA2〜30を100mlの炭酸ジメチル中に溶解した。この溶液50mlに対し、21.5mlのエタノール(EtOH)を添加した。この溶液をアルミニウム型に注ぎ、凍結乾燥器内に置く(−30°Cの棚温度)。溶液が凍結したら、10mlの炭酸ジメチルと4.3mlのEtOHの混合液をその上に注ぎ、これが凍結したら真空にする。生成物を実施例2のように凍結乾燥した。パウダーは光学顕微鏡法で解析した(図7b)。] 図7b [0292] 実施例4:MPEG‐PLGA粒子を伴う繊維芽細胞及び筋細胞の成長 繊維芽細胞及び骨格筋細胞のMPEG‐PLGA粒子上への付着と成長について、ポリ‐HEMA被覆された細胞培養フラスコ中で、細胞及び粒子が懸濁された状態でテストされ、細胞の培養器壁への接着が抑制された。] [0293] 粒子(MRG 08 095‐11,メトキシポリエチレングリコール‐ポリ(乳酸‐グリコール酸共重合体)(Mn.2000〜3.000,L:G 1:1)を含む2本の遠心分離管を計量し、70%エタノールで洗浄し、300gで7分間遠心分離した。続いて、それぞれを10%ウシ胎仔血清(FCS)、ペニシリン(Pen)、ストレプトマイシン(Step)及びアンホテリシンB(AmpB)含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)又はPen/Strep、ヒトFGF及び20%FCS含有F10で洗浄した。遠心分離管を先と同様に再度遠心分離し、10%FCS及びPen/Strep/AmpB含有DMEM又はPen/Strep、FGF及び20%FCS含有F10で洗浄した。] [0294] 乳房縮小術により単離されたヒト初代繊維芽細胞及び筋生検術により単離されたヒト初代筋細胞を、細胞培養フラスコで培養した。繊維芽細胞と筋細胞を、10%FCS及びPen/Strep/AmpB含有DMEM又は20%FCS、pen/strep及びFGF含有F10で培養した。2種類の細胞は、実験当日にトリプリシン/EDTAを用いて培養フラスコから剥離した。] [0295] ポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリHEMA、0.8mg/cm2に相当する)で被覆した細胞培養フラスコ中で、粒子及び細胞が最終濃度で1.5mg粒子/ml及び2x104細胞/mlであり、1.3x104細胞/mg粒子に相当するように加えた。無細胞で粒子だけの細胞培養フラスコを対照として使用した。フラスコを37°C、5%CO2下で24時間、低レベルの振動台上で培養し、それから無振動で4週間培養した。培地を1週間に1度交換した。細胞付着、形態、成長及び粒子集団の評価を実験1日目、7日目及び2週間後並びに4週間後に繊維芽細胞に対して行った。しかし、筋細胞では、4週間後にのみ行った。細胞はニュートラルレッドで染色し、続いてEvolution MPカラー冷却カメラ(Media Cybernetics)に適合するLeicaDMIRE2倒立顕微鏡を用いて評価した。デジタル画像はImage Pro Plus 5.1ソフトウェア(Media Cybernetics)を用いて取り込まれた。] [0296] 最初の24時間に、一部の繊維芽細胞が、単一粒子上に1つの細胞又は2つの粒子の間に1つの細胞の何れかの状態で付着したが、多くの生細胞は培地中を浮遊していた。次の24〜48時間に、懸濁液中の残りの細胞が倒立顕微鏡を用いてフラスコ中で観察された。この間に全細胞が粒子に付着した。1週間後、細胞は約10個の粒子と多数の細胞からなる小クラスター中で、より多くの粒子に付着した。そして2週間後に、前記クラスターは更に大きくなり、それらのいくつかが一緒になって成長し、より大きな凝集塊となった。4週間後には、最終的に大きな凝集塊だけが存在した(図8‐I)。] [0297] 筋細胞は4週間後にだけ解析されたが、これらの細胞は繊維芽細胞のように大小の凝集塊中で成長していた(図8‐II)。] [0298] 無細胞の培地中で培養された粒子は最初の2週間ではサイズと外観に明らかな変化は見られなかった。4週間後、粒子はより透明化してきたが、小さくなっているようには見えなかった。高倍率では、粒子内の孔から分解し始めていることが確認できる(図8‐III)] [0299] 結論として、本実験は繊維芽細胞及び筋細胞の両方とも、沈殿したMRG 0895‐11粒子に付着し増殖可能であり、多数の細胞により結合する多くの粒子からなる、大きな凝集塊が形成されることが示された。] [0300] 実施例5:生分解性MPEG‐PLGA 下記方法はポリマーの生分解性を測定するために使用してもよい。] [0301] MPEG‐PLGA2〜30の加速分解実験では、60°Cのリン酸緩衝液中で10日後に完全に分解する。これは50d、37°Cに相当する。] [0302] 材料及び方法: 足場(MPEG‐PLGA2〜30で50:50のDL‐乳酸対グリコール酸比を有する)。 12mlスクリューキャップバイアル GPC 緩衝液:7,4gのNa2HPO4+2,15gのKH2PO4を900mLの水に溶解する。pHは希釈H3PO4で7.0に、体積は1Lになるように調節する。 約4mgの足場はバイアル(x5)で計量され、3mlの緩衝液が加えられる。バイアルは60°Cのオーブンに置かれ、3、4、5、6及び10日目に取り出される(バイアルは次の作業まで冷凍庫に保存される)。 バイアルを−5°Cで一晩凍結乾燥し、真空乾燥機で一晩乾燥した。2mLのTHF:DMF1:1に溶解し、GPCで濾過及び解析を行った。] [0303] ] [0304] 10日後、完全な分解が見られ、そしてクロマトグラムに残る唯一のピークはMPEGである。これは約50日、37°Cに相当すると思われる。図9及び10を参照のこと。] 図9 [0305] 実施例6 MPEG‐PLGA微小粒子と混合された軟骨細胞。 ヒト関節軟骨細胞(hACs、継代1)を16%ウシ胎仔血清((FBS)、アスコルビン酸(75μg/ml)、ファンギゾン(2.4μg/ml)及びゲンタマイシン(10mg/ml)含有DMEM‐12中で、先の実施例で調製したようにMPEG‐PLGA微小粒子(1.5mg/ml)と共に、培養する。] [0306] hACsを微小粒子と共に14日間、5%CO2の雰囲気下37°Cで培養した。] [0307] 培養14日後、hACsで被覆された微小粒子をいくつかのサンプに分けた。1つのサンプルは軟骨細胞の微小粒子への付着を可視化するために、ニュートラルレッド(Sigma‐Aldrich)で染色された。他のサンプルをTissue‐Tek(Sigma‐Aldrich)に包埋し、−26度のクリオスタットで厚さ10μmに薄切した。切片はサンプル中のECMタンパク合成を可視化するために、0.5%トルイジンブルー(Sigma‐Aldrich)で染色された。] [0308] 図23及び24には、hACsとMPEG‐PLGA微小粒子とを組み合わせると、hACsが微小粒子へ付着し、そして付着したhACsは粒子上及び粒子内に細胞外基質を産生可能であることが示される。] 図23 [0309] 実施例7:超音波霧化‐沈殿 一般機器 下記実験を、Sonicsの20kHzプローブ及びSonotekの25kHzのコニカルプローブ用いて行った。霧化したポリマーが−70°Cに保たれたチャンバー内の採取リザーバーに到達するまで、その飛距離は40〜50cmであった。受けチャンバー内及び採取リザーバー内の温度は冷蔵システムを用いて制御した。] [0310] 基本手順 アセトン中で、又はアセトンとエタノール又はヘキサンのような非溶媒との組み合わせの中で、10、7.5及び5%(w/v)の2‐30MPEG‐PLGAポリマー溶液は、超音波プローブにより−70°Cのチャンバー内に向かって霧化され、−65°Cから−70°Cのイソプロパノール溶液槽に溜めた。粒子懸濁液を吸引又はデカンテーションにより濾過し、そして粒子を真空下で乾燥し、気密バイアル中で冷却保存した。] [0311] 使用した実験パラメータを、下表に記載する。] [0312] ] [0313] 実施例8:超音波霧化‐凍結乾燥 基本手順 炭酸ジメチル(DMC)中で、又はジオキサン又はDMCとジオキサンの組み合わせ中で、10、7.5 及び5%(w/v)の2‐30MPEG‐PLGAポリマー溶液は、超音波プローブにより−70°Cのチャンバー内に向かって霧化され、同温度に保持されたアルミニのトレイに溜めた。スプレーを含むトレイは−20°Cの凍結乾燥機に移され、一晩乾燥された。粒子はそれからデシケーターに移され、更に真空下で乾燥され、そして気密バイアル中で冷却保存された。] [0314] 使用された実験パラメータを、下表に記載する。] [0315] ] [0316] 実施例9:かさ密度測定による微小粒子の特徴 粒子をプランジャーと体積目盛のついた密閉容器に採取した。粒子を1〜2.5N/mm2の範囲でゆっくりと圧力を加えて押圧した。] [0317] 粒子により占有された重量と体積が記録された。] [0318] 選択されたサンプルに対して得られたデータを下表に記載する。] 実施例 [0319] ]
权利要求:
請求項1 生分解性ポリマーの多孔性微小粒子集団を含む組成物。 請求項2 空隙率が50から95%である、請求項1記載の組成物。 請求項3 微小粒子のサイズが20〜110μmの間である、請求項1又は2記載の組成物。 請求項4 対象における生体組織の増強及び再生のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。 請求項5 1つ又は複数の哺乳類細胞集団を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。 請求項6 生物適合性接着剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。 請求項7 哺乳類細胞の1つ又は複数の集団が、前記生分解性ポリマーの多孔性微小粒子集団に付着する、請求項1記載の組成物。 請求項8 前記微小粒子が、生分解性ポリマーのミクロスフェアの形態である、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。 請求項9 前記微小粒子が、生分解性ポリマーのフレークのような不均一な形態である、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。 請求項10 前記生分解性ポリマーが、a)グリコリド、例えばL‐ラクチド、DL‐ラクチド、メソ‐ラクチド(ポリ乳酸、PLA)、e‐カプロラクトン(ポリカプロラクトン、PCL)、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、d‐バレロラクトン、β‐ブチロラクトン、g‐ブチロラクトン、e‐デカラクトン、1,4‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、1,5,8,12‐テトラオキサシクロテトラデカン‐7‐14‐ジオン、1,5‐ジオキセパン‐2‐オン、6,6‐ジメチル‐1,4‐ジオキサン‐2‐オン、及び炭酸トリメチレンのようなグリコリドのホモ又はコポリマー;b)一又は二官能性ポリエチレングリコールと上記a)のポリマーとのブロックコポリマー;c)一又は二官能性ポリアルキレングリコールと上記a)のポリマーとのブロックコポリマー;d)上記ポリマー混合物;及びe)ポリ酸無水物類及びポリオルトエステル類;例えばポリ(D,L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)(PLGA)、MPEG‐PLGA(メトキシポリエチレングリコール)‐ポリ(D,L‐乳酸‐グリコール酸共重合体)からなる群から選択されるポリマーを含むか又はポリマーからなる、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。 請求項11 前記生分解性ポリマーが、PLGAもしくはMPEG‐PLGAからなるは、又はPLGAもしくはMPEG‐PLGAを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物。 請求項12 前記微小粒子が生分解性ポリマー含有溶液を凍結乾燥することによって調製される、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。 請求項13 前記微小粒子が超音波霧化により調製される、請求項1〜12のいずれか1項記載の組成物。 請求項14 前記細胞が、対象における前記生体組織に関する由来において、自己、同種(同種異系)又は異種である、請求項5〜13のいずれか1項記載の組成物。 請求項15 組成物中の細胞濃度が1ml当たり約0.1x104細胞から約10x106細胞である、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物。 請求項16 生分解性ポリマー微小粒子への細胞接着及び/又は組織再生のための内方への成長を促進する成分:コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン、ヒアルロン酸(HA)、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、成長因子、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、コラーゲンI型及び/又はII型のようなコラーゲン、ゼラチン及びアグリカンからなる群から選択されるような成分、又は他の適切な細胞外基質成分を更に含む、請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物。 請求項17 合成の生分解性足場内に化合物を更に含み、ここで前記化合物は、インシュリン様成長因子1(IGF‐1)のような成長因子、又はTGF‐アルファ又はTGF‐ベータのような形質転換増殖因子(TGF)、又はFGF‐1又はFGF‐2又は骨形態形成タンパク質のようなFGFである、請求項1〜16のいずれか1項記載の組成物。 請求項18 ヒアルロン酸及び/又はデルマタン硫酸が、生分解性ポリマー微小粒子内に組み込まれる、請求項1〜17のいずれか1項記載の組成物。 請求項19 少なくとも微小粒子のいくつかは、ヒドロキシアパタイト及び/又はリン酸カルシウムを含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の組成物。 請求項20 好ましくはミクロスフェアのような均一な微小粒子構造を有する微小粒子集団を調製する方法であって、以下:a)前記ポリマー溶液を溶媒中で調製し;b)工程a)で形成された溶液を非溶媒と混合し;c)工程b)で形成された溶液を、非溶媒中に室温以下の温度(好ましくは0°C以下)で霧化して微小粒子を形成し;d)好ましくは濾過により形成された粒子を収集し;e)好ましくは真空下で又は凍結乾燥により、場合により粒子を乾燥することを含む、方法。 請求項21 好ましくは不均一な微小粒子構造を有する微小粒子集団を調製する方法であって、以下:a)ポリマー溶液を溶媒中で調製し;b)工程a)で形成された溶液と非溶媒とを混合し;c)工程b)で形成された混合溶液を凍結乾燥し;d)形成された粒子を収集し;e)好ましくは篩により、場合によりサイズ別に分画することを含む、方法。 請求項22 工程a)の溶媒が、1,4‐ジオキサン、炭酸ジメチル又は1,3‐ジオキサランからなる群から選択される、請求項21記載の方法。 請求項23 好ましくは不均一な構造を有する微小粒子集団を調製する方法であって、以下:a)ポリマー溶液を溶媒中で調製し;b)例えば超音波霧化等により工程a)で形成された溶液を非溶媒中に室温以下の温度(好ましくは0°C以下)で霧化して、微小粒子を形成し;c)好ましくは濾過により、形成された粒子を収集し;d)好ましくは真空下で又は凍結乾燥により、場合により粒子を乾燥することを含む、方法。 請求項24 微小粒子集団を調製する方法であって、以下:a)ポリマー溶液を凍結乾燥可能な溶媒中で調製し;b)例えば超音波霧化等により工程a)で形成された溶液を低温チャンバー中で霧化し、それによって液滴を凍結して粒子にし;c)形成された粒子を収集し;d)凍結乾燥により粒子を乾燥することを含む、方法。 請求項25 前記ポリマーが生分解性ポリマーである、請求項20〜24のいずれか1項記載の方法。 請求項26 前記溶媒が、クロロホルム、1,4‐ジオキサン、アセトン、酢酸メチル、ブタノン、ジクロロメタン及び1,3‐ジオキサランからなる群から選択される、請求項23〜25のいずれか1項記載の方法。 請求項27 前記非溶媒が、低級アルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ヘキサン、アルカン類及びシクロアルカン類からなる群から選択される、請求項20〜26のいずれか1項記載の方法。 請求項28 請求項20〜27のいずれか1項記載の方法により調製された、微小粒子集団。 請求項29 MPEG‐PLGAの微小粒子集団。 請求項30 前記微小粒子が50から95%の空隙率を有する、請求項29に記載の集団。 請求項31 微小粒子サイズが20〜110μmである、請求項29〜30のいずれか1項記載の集団。 請求項32 a)液体を形成する濃度の生分解性ポリマーである多孔性微小粒子; b)細胞を載置する装置を含むキット。 請求項33 細胞を載置する装置が針を有するシリンジである、請求項32記載のキット。 請求項34 50〜100mg当たり100万個の濃度で更に細胞を含む、請求項32又は33記載のキット。 請求項35 筋肉を修復するための、請求項32〜34のいずれか1項記載のキット。 請求項36 括約筋を修復するための、請求項35記載のキット。 請求項37 a)ペーストを形成する濃度の生分解性ポリマーである多孔性微小粒子; b)細胞を載置する装置;c)組織接着剤を含むキット。 請求項38 細胞を載置する装置が無針であるが、可撓性排出口を有する請求項37のキット。 請求項39 1cm2当たり100万個の濃度で更に細胞を含む、請求項37又は38記載のキット。 請求項40 軟骨を修復するための、請求項37〜39のいずれか1項記載のキット。 請求項41 患者の生体組織の再生及び増強のための方法であって、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物を調製し、前記組成物を生体組織、例えば前記生体組織に投与して再生及び増強することを含む、方法。 請求項42 前記組成物が注射により組織に投与される、請求項41記載の方法。 請求項43 前記生体組織が筋組織であり、そして哺乳類細胞の1つ又は複数の集団が筋芽細胞又は筋芽細胞に分化可能な幹細胞の集団を含む、請求項41又は42記載の方法。 請求項44 尿失禁のような女性泌尿器‐婦人科疾患に関連する疾患の治療法であり、前記生体組織が膀胱括約筋のような括約筋である、請求項43記載の方法。 請求項45 前記生体組織が軟骨組織であり、そして哺乳類細胞の1つ又は複数の集団が軟骨細胞、例えばヒト関節軟骨細胞、幹細胞、又は間葉幹細胞のように軟骨細胞へ形質転換可能な等価の細胞からなるリストから選択される細胞集団を含む、請求項41又は42記載の方法。 請求項46 前記生体組織が骨組織であり、そして哺乳類細胞の1つ又は複数の集団が骨芽細胞又は間葉幹細胞のように骨芽細胞に分化可能な幹細胞を含む、請求項41又は42記載の方法。 請求項47 薬剤として使用するための、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。 請求項48 女性泌尿器‐婦人科疾患、例えば尿失禁、骨盤臓器脱、及び直腸脱に関連する疾患の治療に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。 請求項49 軟骨欠損に関連する疾患の治療に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。 請求項50 骨の欠損又は疾患に関連する疾患の治療に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。
类似技术:
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引用文献:
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